学校にも、家にも、居場所がなくて、探せるだけ探して、それでも馴染めなくて、君は、呆然とした。

期待しなければ傷付かないって、いつのまにか優しい色で溢れる出来事を教室の隅で斜めから見つめるようになった。

黒い言葉を陰で言われるのは、大丈夫。

知らないフリをすればいい。

どうせ真正面からは、何も言えやしないんだから、と。

でも、あの子は君の為に涙を流した。

君は、動揺した。

それを、受け入れることは、今起こっている虐げられた自分を認めてしまうことと同じだから。

今なら、1人の世界に戻れる、と目を閉じた。

きつく、きつく、何も見なくてすむように。

そしたらね、君も泣きはじめたんだ。

人は、暗闇に染まり過ぎないように目を閉じても光を感じられるように作られていたから。

1度光を感じたら、もう絶対に光からは逃げられないんだから。


1人になんてさせないよ。