意地悪な季節。家を出る前から、太陽がジリジリとアスファルトを予熱してくれるおかげで 昼間、表を歩くだけで汗が流れる。 汗が重力に圧され、額から睫毛へと道をくだり視界が潤んだ瞬間 私は小さな悲鳴をあげる。 目に入ったそれは、傷を負いながら海に入るのと同じくらい痛い。 夏はキライだ。 でも、夕暮れはちょっと涼しくて、綺麗で、なんか切なくて、きゅんってする。 だから、夏はきらいだ、と言い切れない自分がいる。