電車に揺られながら、色々な事を考えた。


駅の改札を抜けると、信号が赤から青に変わった瞬間だった。


間に合うと分かっていたけど、わざとゆっくり歩いた。


案の定、横断歩道に辿り着いた時信号は赤だった。


夏の暑さと戦いながら、信号が赤から青に変わるのをひたすら待った。


俯き、目を閉じて何かを待ち続けていた。


信号待ちをしているのではないと、自分でも分かり始めていた。


ひたすら祈った。


スーパーの袋が手から滑り落ちそうになる。


目をあけたと同時に、信号が青に変わる。


私には希望の光に見えたのはここだけの秘密。


逃げないからね。