傘。東京に細かい雨が降る。 お店に入ろうと、傘立てに新品のビニール傘君を置いていったのだけど 迎えに行ったら、いなくなっていた。 おいおい、誰が誘拐したんだよって、傘立を見つめていたら、悲しくなった。 古い、壊れかけのビニール傘ばかりが、 首をうな垂れ主人の帰りを、ただひたすらに待ち続けていたから。 あーあ、私の傘は 今頃、誰を雨から守っているのかなぁ。