湊かなえさんの「少女」を読んだ。



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この本を読み始めた時、注射器で心の血を全て吸い取られているみたいだった。

貧血状態に陥り、あの頃の映像が頭をかすめた。


制服を着た私は、学校で上手くいかないことがあると

大人になって早く狭い教室から飛び出して、面倒くさい人間関係の鎖から解き放たれた自分を空想した。


でも、スーパーで主婦たちがしている井戸端会議や、

電車で隣に座るサラリーマンたちや大人を見ていたら、なんとなく、分かった。


いつまでたっても、そこから抜け出せない仕組みになっているという事。


そんな世界を生きる少女2人のお話だったけど、最後にはちゃんと、心の体温を取り戻せる物語でよかった。


この小説みたいに現実もそうだったらいいのに。


「好き」、とか、「嫌い」とか

向こうが勝手に私に付けるシールみたいなものなのに

胸に「嫌い」というシールを1つ見つけようものなら、途端に怖くなった。


これはきっと、私だけじゃないはず。


今までは、コレに上手く言葉が見つからなかったけど

この小説の中にぴったりな言葉を見つけた。


「思春期の子どもたちは他人の心の声を微妙に聴きわけてしまう。」



この力が、ずっと、ずっと、消えませんように。