高知県高知市での土台揚げ・沈下修正工事もようやく完了いたしました。
前のブログでも書きましたように、他3社が見積もりの際に書かれた施工計画を鵜呑みにして入ったら、床下で計測してみたら施工範囲が6坪ほど拡がってしまいました。
もう次の現場へ出発する、、ギリギリまでかかってしまいました。
基礎の修復画像です。
今回は、築40年で、無筋基礎ではありませんでしたが、鉄筋も少なく、またコンクリートの強度も120とは云えず、増し打ちする際の既存基礎との連結部分をどう処理するべきか?を色々と検討いたしました。
幸いなことに、お施主さんのご理解もいただいて、この後、別業者さんによるアラミド繊維補強を行うこととなりました。
頑強な基礎であれば、土台と基礎に金具で取り付けるということも考えられたでしょうし、耐震リフォーム関係の方はそちらを安易に推奨します。
ですが、それは基礎コンクリートが充分に硬く、また土台も充分な強度が存在する角材であることが前提ではないでしょうか?
ボルト穴を開けることで却って傷めてしまうこともあるのではないでしょうか?
「曳家岡本」としても、我々がご依頼いただくことの多い、布基礎の築20年以上の建物を扱う際に地盤に負荷を掛けない内容で、基礎補強ができるアラミド繊維や、炭素繊維の自社施工を出来るようしたいと考えています。
まさかの風呂場入口の湿気により腐り易い箇所にある柱が「通し柱」でした!!!
で、仲間の若手注目大工・田中重治棟梁に来てもらって「金輪継ぎ」です。
※使用材は、豪州ひのき、込み栓は白樫です。
柱の根継ぎをする際に、敷居と鴨居の間にサッポードを入れて、敷居を土台代わりにジャッキで揚げる方や、梁を突いて揚げている方がいます。
前者は確実にホゾを傷めています。それを据え付けてから、敷居の上面を叩いて落として面を合わせています。
見た目は直っているかも知れませんが、人間で云えば関節がもろくなったままです。
後者は、梁を突いても柱は自重で少し下がります。
するとその間に、頑張って入れても、据えつけた時に梁の荷重をきっちり承けていないものになります。
建築に携わる者であれば、誰しも「柱が建物の9割の荷重を承けている」ことを知っていなければなりません。
1本1本の柱の意味合いを大事に考えて、少しでも傷めず修復させていただくことが、「曳家」の使命だと思います。
風呂場と根継ぎのために壁を撤去させていただいた部分だけでも、アンカーボルトのナットを締めさせていただきました。
ps
お施主さんから、数年前に脳梗塞で倒れられたお父さんが、「このところ元気になって、食事に文句を言うお父さんに戻った(笑)」と喜んでいただけました。ありがたいことです。嬉しいです。