6月、7月と「曳家塾」セミナーを関東で連続して開催していただきます。
自分が、この講演活動で訴えたいことは、
曳家は家を曳く、向きを換えるだけでなく、色々な技術を持っていることを知っていただきたい云うことです。
特に古民家の躯体の矯正についてですが、打ち合わせをしていて残念なのは、有名な建築事務所や構造設計の先生たちも「曳家」の技術についてあまりにも知らない。と云うことです。
その為、再生計画の立派な計画書を見せていただだきながら、違和感をお伝えして、お話できる立場にあれば「曳家ならこうします」と伝えると・・
「そういうことが出来るのなら、そうしましょう。いや~~曳家さんと仕事するの初めてなんで・・勉強になるなぁ」と喜んでいただけることが多いのですが・・
これって、普段から、もう少し曳家の技術の活用方法を曳家側がPRさせていただく努力もしないといけないし。
もしかして、知っておいていただいたら、建築士さんや工務店さんも今まで「うちじゃあ出来ないよ」と断っていた仕事も、「ああ、それはこうすれば出来るから、うちで手配しますよ」と対応してくだされば、お互いに仕事の幅が拡がりますので双方にとって良いことでは無いか?と思うようなりました。
※家起こしをする前に不陸調整と柱の根継ぎをしているところ。
スムースに家起こしをするためには水平を直してからです。
もちろん、自分も地方出身(四国・高知)の曳家として、他地方から同業者に入り込まれると哀しいですから。
何でも「曳家岡本」にお仕事ください。と云うものではなく、「曳家を知っていただいて気軽に相談できる」きっかけ創りになればと思います。
セミナーでは、こういうことは意外に簡単で費用は実はこの程度。とか、基礎パッキンの入っていなかった築古住宅に後付けで基礎パッキンを入れることは可能だけど、こんなこんな手間がかかるので沈下修正工事の途中であっても、1階18坪程度のお家で30万円くらいの追加費用はかかる。などなど。
どういう依頼なら安く頼めるけど、狭小地でGLが平坦で無い場所を曳家するなら先に移動部分を転圧して鉄板を敷いておいてくだされば安価に出来る。とか、色々なパターンを具体的にご説明させていただいております。
あっそれと、「曳家塾・沈下修正工法編」というのも時々やってます。
こちらは、アンダーピニング工法や薬液注入工法などの現場レベルでの話です。発注時にこういう部分に気をつけてお願いするとより良い施工管理ができますよーー。とか、実際にあった事故例などについてお話してます。
今後もこうしたセミナーにご招聘いただけましたら、
出来る限り積極的に出向いてゆきたいと思います。
建築士さんや工務店仲間さんなどで10名程度集まる場を作っていただけるようならば、交通費と宿泊費さえ出していただけるなら参上しますので、お声かけください。
20年後に「曳家」技術が重要文化財など限られた建築物の修復だけに使われる特殊な技術にならないように、曳家を使ってやってください。