葛西用水端の蝋梅(ろうばい)


街を行き交う車両の音がやむ頃、チャルメラの音を聞く。


綿入れ半纏(はんてん)を羽織って、戸外に出る。


カーバイトの灯りに映る屋台ぬしに、ラーメンを注文する。


屋台ぬしは、手際(てぎわ)よくこしらえて、それを小さなカウンターに差し出す。


俺は、割り箸を割って、湯気の立ち上がる熱い麺をすくい、フーフーとさましては啜(すす)る。


花冷えする夜、とんと見なくなったそんな夜鳴きそばの記憶が蘇(よみがえ)った。🍜🍥






拉麺(ラーメン)を食(は)めば直ちに床(とこ)に入りおほ汗(あせ)かいて風邪を払はむ をさむ