昨日の気温は30度近くまで上がりました。
今日は暑くならないうちに、ウォーキングをしてきました。
途中の川べりに、ひなげしが咲いていました。
ひなげしを見ると、中国のある物語りが浮かびます。
古代中国、秦が滅びた後、楚王(そおう)項羽(こうう)は漢の劉邦(りゅうほう)と覇権を争っていたが、ある夜漢軍に囲まれます。
軍が楚の歌を唄うのを聞いた項羽は、故郷が占領されてしまったと勘違いして、酒宴を設け、虞姫(ぐき)らに対する別れの詩を作って、合唱します。
虞姫は項羽の足手まといにならぬよう、自ら命を絶ちます。
項羽は漢兵の群れに身を投じ、武勇のかぎりを示した後に、自刃(じじん)します。
やがて虞姫の墓の上に一本の草が伸びて、花をつけます。
愛する人を偲ぶように佇むその花を、いつしか人々は虞美人草(グビジンソウ)と呼ぶようになります。
じつは、虞美人草が、ウォーキングコースに咲くあのひなげしのことだと知ったのは、最近のことです。
ひなげしは毎年用水路のふちの草叢(くさむら)に咲いて、みどりの布に朱の小紋を染めあげたような、景観をつくります。
薄い花弁が風に震えるその姿は、繊細で無垢な感じがします。
歴史小説のヒロインを表すに、相応しい花です。🌱✨
ひなげしの白露(しらつゆ)ほろろ垂(た)れにけり穢(けが)れある吾(あ)を逃(のが)るるやうに をさむ