一般社団法人 JYDA日本青少年育成協会が、中国の新型肺炎の蔓延を憂慮して、マスクなどを贈りました。 

その箱に、「山川異域 風月同天(山や川は違っていても、吹く風や月は同じである)」という漢詩の一片が添えられました。

奈良時代、仏教を尊崇していた長屋王は、千枚の袈裟(けさ)をつくり、金糸で、「山川異域 風月同天 寄諸仏子 共結来縁」という自作の漢詩を刺繍して高僧鑑真に贈りました。

鑑真はその詩に感動して、仏教の発展の手助けをする為に、日本へ行くことを決めたそうです。 

その長屋王は、鑑真の訪日を待たず、藤原四兄弟の陰謀により、自害しました。

援助物資にその詩の一片を添えたことが、多くの中国の方の、感動をよんだようです。

古代に受けた恩にむくいるという意味にもなるから、中国の方にとっては、なおさら嬉しいでしょう。

詩を添える文化が存在することを、つたない詩歌をたしなむ者として、嬉しく思います。

若葉して湖北の雫拭ひけり をさむ