追悼

梅宮辰夫氏の父親は、終戦直後満州でソ連軍に連れ去られたが、搬送される途中列車から跳び降りて脱走し、あらかじめ決めてあった場所で家族と落ち合い、日本に引き上げてきた。

以前、梅宮辰夫氏のディナーショーの伴奏をした。

オーディエンスが全てその筋の人で、唄の合間のトークを遮るように、あちこちから、氏へと大きな声が浴びせられた。

氏は、網走番外地を唄えといわれると、それは健さんの歌なので別のを唄います、などとかわして、パフォーマンス(歌.トーク)をくずすことなく、たんたんとステージを勤めあげた。

彼は親譲りの強いハートを持っているのだと思う。

御冥福を祈ります。



秋の舞台演じ終へたるやまもみぢ蝶舞ふやうに谷を落ちゆく をさむ