世界規模で宇宙のなりたちを解明するひとつの手掛かりにするため、これを世界中の宇宙科学研究機構に配ったそうです。
これによりまたひとつ宇宙の神秘が解明され、不可思議なものが当たり前のものへと変わるかもしれません。
神秘、なんと夢のあるワードなのでしょう。この世には未だ解明されていないもの神秘的なものが無数にあります。
これは昭和の昔に当時のメンバーのドラマーから聞いた、そんな神秘的な話です。
ある音楽祭の活動を終えてその帰路の途中、彼とバンドのメンバー達は休息と飲み会を兼ねて民宿を借りました。
部屋に通されて一息ついていると、メンバーの一人が外の景色を観るために、ふすまを開け放ちました。
すると縁側のガラス戸の向こうでお婆さんが庭のはき掃除をしていました。そして不思議そうにこちらを見ました。
なんの疑問も抱かず、皆は連れ立って湯につかりに行きました。
そして翌朝、支払いのためバンマスが帳場に行きました。
居間を兼ねたその帳場の奥に、大きい立派な仏壇がありました。彼は興味を抱き、その仏壇を見ようと部屋に入れてもらいました。
仏壇に会釈をした後、その中を覗きみて、先ほど客室でガラス越しに見た、お婆さんの写真が飾られていることに気付きました。
なんとお婆さんはとうの昔に亡くなっていたのです。
彼は急いで部屋に戻り、メンバーにそんな不思議な事件を報告し、解説をあおぎました。しかし誰も説明することは出来ませんでした。
恐怖覚めやらぬまま東京に戻り、皆は某大学に行って意見を仰ぎました。
某教授が言いました、疲労の激しいとき等に起こる集団的な幻覚ではないかと。
しかしそのあと、こうも云いました、何かの影響でその場所に時間の歪が出来たのかもしれないと。
その歪によって、民宿の縁側あたりで過去と現在が接触したのでしょうか。
彼等の体験が幻覚でないと前提すれば、数々の不思議な現象を科学的に解明してきた人類は、いつかそんな時間的神秘をも解き明かすことでしょう。
そこまで言ってしまえば、さらに想像力を膨らませて、タイムトラベル出来る乗り物など、想像してしまいましょうか。
そんな乗り物に乗って、過去へ行ってみたい。
ある人に、云いそびれたあることを、伝えたいのです。その人が心置き無く眠りにつけることを願って。
諸手を上げて全てを信じるとまではいかないものの、そんな思いが湧いてくる、夢のある神秘的な話でした。
秋月に連なるごとし小桟橋 (をさむ)