客の金抜きて風邪をぞ見舞ひきてクルスを揺りて髪を解く汝(な)も

冬構へせる路地の奥言ひ訳はなほ訊くまじき汝(なれ)が屋に入る

田一枚植ゑて去りたるわざをもてわが待つ人を連れてき賜(たま)へ

行き交へる人それぞれの音(ね)のすれば落葉はやがて汝(なれ)がねのせむ

笑み止めて啜るスープの味見かなしばし会ふまじき汝(なれ)に与へむ

待つ人のあれば枯草(こさう)をゆく道は雪の躍るも身の汗ばめる

忍びつつ汝(なれ)が屋に入り鍵置きて光熱費など払つて去りぬ

長短針さらに秒針のま重なる冬を暮らして別れくる道

失恋の己にスープを飲ますれば温みの染みて知りつ空腹

十分に釣果(てうくわ)をあげて竿なげて寝ねて小滝の音を寂しむ




初の投稿以来、沢山の方に閲覧して頂きました。ありがとうございます。さらに発信したいことがありますが、時間に余裕がなくて、なかなか文書にできません。本日は、つたないわが相聞歌を載せてみました。よろしければ、お目汚しを。