コンビニへ行く途中、大きな木にザクロの実が生っているのを見ました。

そんな風景はこの辺りでは珍しくなりました。

子供の頃、この街のはずれにある、親を離れて暮らした伯母の家の庭の老木に、そんなザクロの実が沢山生っていました。

今はそれほど欲しいと思いませんが、当時は好んでその赤い実を食んだものです。

当時は、あちこちの家の庭に、そんなザクロやイチジクやビワの木がありました。おそらく、豊かではなかった時代に、子供のおやつを得る為に、植えたものなのでしょう。

大人になって戻って来た街ですが、そんな果樹や青々とした生垣のある、緑豊かな家々が消えていました、カワセミが生息する小川も、ウグイスが鳴く杜も。

数年前に、子供の頃近所の病院の娘と、押し花にする花を摘んだ、田んぼの畦道を見にいきました。

わが家から徒歩で40分ぐらいのところですが、白亜のマンションがそびえるタウンになっていました。

街はなにもかもが変ってしまいましたが、私自身も変ったのだから、しかたないのかもしれません。




田に水の入りてふうはり糸蜻蛉     (をさむ)