数年前、探査機「あかつき」が、金星の周回軌道への再投入に成功して、軌道衛星になったそうです。

あかつきには、観測波長の異なる幾つかのカメラが搭載されていて、金星の大気を立体的に観測することが出来るそうです。

また宇宙の神秘の幾つかが、解明されることでしょう。

ところで先日、空中を遊泳する夢をみて、忘れていたその感覚を、懐かしみました。

空中に浮かぶ夢は、少時頻繁にみました。

子供の空中遊泳の夢は、成長過程の心理に関係があるそうです。

私の場合、逃れられない理不尽な攻撃にさらされて、無意識の自分が、幼いなりに防衛本能をはたらかせ、そんな逃避行をさせたのかもしれません。

とはいえ、今更どうなるものでもないから、現在のこの自由な日々を楽しみ、有意義に過ごすべきだと思います。

そんな空中遊泳の夢は、毎回ほとんど同じシーンを描いていました。

夜半に目覚めた私は、いつのまにか寝室を抜け出て、ちょっと肩に寒さを感じつつ、ふわっと浮きあがり、漆黒の宙(そら)に入ります。

暗闇を遊泳していると、星の群れが現われます。

赤、青、黄などの無数の星が、競うように輝きを放っています。

そんな星群(ほしむら)が雲のようにあちこちに浮かぶところを、ぬっていくのです。

それだけのことですが、明るいとはいえない環境にある私にとっては、ラッキーな、楽しいものでした。

成長が進むと、夢は少々切ないものになります。

高く浮く事が出来ないのです。

地面から10センチぐらいのところに浮いて、スケートをするように、滑っていくのです。

頑張っても、上昇出来ません。

やがて思春期、自立心(反抗心というべきか)がめばえ、いろんな悪いことを覚えると、そんな夢すらみなくなります。

あれから長い時間が過ぎて、せんだて、再び空中遊泳の夢を見たのです。

心に少し風が吹く今夜あたり、また星空を遊泳したいものです。

そうそう、憧れのひとと連れ立って。




見ずなりぬ銀河へ逃れ渡る夢  (をさむ)