仕事先での話です。
我々のバンドが当日そこにいる事をどこで聞いたのかは知りませんが、メンバー(ドラマー)の友人が楽屋に訪ねてきました。
彼はベーシストで、しばらく仕事をしていないらしい。
少々酔っているようでした。この頃はいつもそうらしい。
彼が言いました、おごるから、ステージが終わったら飲みに行こうと。
せっかく誘ってくれるのに、申し訳ないとは思いましたが、皆疲れていたので断りました。
後に、仕事をしていない彼が、どうしてそんなお金を持っているのかと、ドラマーに訪ねたら、カミさんに貰ってきたのだろうと、応えました。
ドラマーによれば、そのカミさんは彼に「しょうがない人なんだから」などと言いながら、笑ってお金を差し出すそうです。
彼女はミス日本の栄冠を勝ち取った女性だそうです。
彼とはおそらくタレント活動の中で、知り合ったのでしょう。
現在どんな仕事をしているのかは知りませんが、大切な夫の為に、頑張って働いているのでしょう。
私は彼等のそんな関係を、非難も称賛もするつもりはありません。そんな夫婦もいるということを述べただけです。
そういえば彼は、美男子ではないけれど、優しげでひとに好かれそうな風貌をしていました。
そしてカミさんが用意したのでしょう、小奇麗で品の良い服を着けていました。
幼虫に食(は)まするままの小松菜は蝶を育てて枯(か)るを待つやら (をさむ)