森美術館で開催している塩田千春展を観てきました。
ものすごく混んでいたのにはびっくりしましたが、過去の作品から最近の作品まで展示されてました。
恐らく、この展覧会の軸になる作品だと思うのですが、
『赤と黒』というこの作品に塩田氏のインスタレーション作品の大きな構成要素になる糸の意味が示されているような気がします。
赤は人の内なる宇宙、つまりは血管という具体的なものから意識、記憶、魂という説明し難い存在。黒は外なる宇宙、つまりは実在している宇宙、知っているけど何となく程度の存在である世界。
入口から入って出口に向かっていくというより、入口の作品に一番の主題があってその理由が出口の作品に描かれいる、つまり出口から入った方がこの世界がより理解できるような気がしました。
で、出口の作品『集積ー目的地を求めて』という作品
スーツケースは旅立ちの象徴だと思います。そしてその数で新しい場所に移っていく人が大勢いることを表しているのでしょうか、そんな様子を感じさせます。
そして、入口の作品『不確かな旅』
ここでは、人が多すぎて画像に誰かしらが映っているのでアップはできませんが、鉄筋で作られた船は国を表現しているのかもしれないし、民族を表現しているのかもしれない。船の大きさはマイノリティ、マジョリティの違いを表現しているのかもしれない。
そして、船から四方八方に出ている赤い糸はその枠から飛び出して旅だった人たちかその魂。
赤い糸がもつれ合う様子は人と人との関係を表してるのではないのか。と、まあ勝手に思ってしまったわけですが、なかなか共感し得ない考えもありまして、それは列挙するのはやめます。
結構疲れましたがとても素敵な作品構成でした。ご馳走様でした。久々に素敵な作品を観れました。
塩田さん、良い作品を創り続けてください。