デップのブログ

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森美術館で開催している塩田千春展を観てきました。

 

ものすごく混んでいたのにはびっくりしましたが、過去の作品から最近の作品まで展示されてました。

 

恐らく、この展覧会の軸になる作品だと思うのですが、

 

                     

      『赤と黒』というこの作品に塩田氏のインスタレーション作品の大きな構成要素になる糸の意味が示されているような気がします。

 

赤は人の内なる宇宙、つまりは血管という具体的なものから意識、記憶、魂という説明し難い存在。黒は外なる宇宙、つまりは実在している宇宙、知っているけど何となく程度の存在である世界。

 

入口から入って出口に向かっていくというより、入口の作品に一番の主題があってその理由が出口の作品に描かれいる、つまり出口から入った方がこの世界がより理解できるような気がしました。

 

で、出口の作品『集積ー目的地を求めて』という作品

 

スーツケースは旅立ちの象徴だと思います。そしてその数で新しい場所に移っていく人が大勢いることを表しているのでしょうか、そんな様子を感じさせます。

 

そして、入口の作品『不確かな旅』

ここでは、人が多すぎて画像に誰かしらが映っているのでアップはできませんが、鉄筋で作られた船は国を表現しているのかもしれないし、民族を表現しているのかもしれない。船の大きさはマイノリティ、マジョリティの違いを表現しているのかもしれない。

 

そして、船から四方八方に出ている赤い糸はその枠から飛び出して旅だった人たちかその魂。

 

赤い糸がもつれ合う様子は人と人との関係を表してるのではないのか。と、まあ勝手に思ってしまったわけですが、なかなか共感し得ない考えもありまして、それは列挙するのはやめます。

 

結構疲れましたがとても素敵な作品構成でした。ご馳走様でした。久々に素敵な作品を観れました。

 

塩田さん、良い作品を創り続けてください。

 

 

 

 

 

 

『編まれたもの 継いでいくもの』  岩塚一恵

会場   やませ

 

 

 

先祖からの「継承」をモチーフにした作品です。物以外にも先祖から受け継がれるものがある・・・思想や文化。

ボクはそれが大切なことばかりとは言い難い経験をしているのですが、一般的には民族的に大事なことと言われています。

よいことばかりではなく悪いことも継承しています。例えば憎悪や差別などです。そういった負の継承を払拭できればいい、と常日頃感じているし、そういったことを思い出させてくれたということで印象に残った作品でした。

 

 

『存在と痕跡』    鉾井 喬

会場    やませ

 

 

 

 

この作家の作品はアラフドアートアニュアル2014でも同じモチーフで作品発表していましたし、中之条ビエンナーレでも以前に発表していました。

面白いことを考えている作家だな、と感じていましたが、今回の作品では何か更に深くなったような気がします。

感覚的に、概念的に感じていた風が確実に可視化されていました。

これは今までとは一味違うな、という感じでした。

 

この作家は、更に深いところにモチーフを見出すような予感がします。

 

 

 

『音色と共に蘇る記憶』   中村Mather美香

会場 旧五反田学校

 

 

 

天井から吊るされているのは多分絵馬でしょう。そこに地元の方々の子供時代の思い出が文章で書かれています。

それらが風に揺れるとぶつかり合ってカラカラと鳴るのです。

その音色が人々が昔を懐かしがって会話しているように聞こえます。

とても素敵な作品でした。

 

 

『喪失後に暗号化された記憶』   シンーウェイ・チェン

会場  イサマムラ

 

画像はないですが、人の脳が記憶という作業にかんしてどう働くのかを象徴的に表した作品です。

人の脳は、こと記憶に関しては少し複雑なコンピューターのようなもので

その色も、形も、大きさも最終的には感覚ではなく2進数の明確な数字に暗号化されるのです。

 

当たり前のことですが、うまく表現された作品となっています。