「ローコスト住宅」と「快適な住まい」 | 酒井設計ブログ

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酒井利美
建築設計、確認申請、検査
民泊セカンドハウス

■ 「ローコスト住宅」と「快適な住まい」


□ 「ローコスト住宅」

さてローコストとは、いったい何がローコストなのでしょう。

例えば、坪30万円の住宅についてです。住まいづくりには、なくてはならない工事と付加機能としての工事があります。その付加工事を抜いてしまえば坪30万とあらわすことは出来るでしょう。これは、いわゆる数字の操作です。ここまでは含みますが、ここからはオプションです、という具合に坪単価を極端に下げた表現をしているのです。この坪30万というキャッチを頼りに住まいづくりを検討するのは注意が必要です。ローコスト住宅メーカーでなくても、地元の身近な工務店に話を聞いてみると、意外と安くしていることもあります。ただ注意しなければならないのは、地元の工務店だと、棟梁が頑固な人が多いので、住まいづくりについて聞いてみようと思っても、建築主の意図が伝わらない場合があることです。


□ 良い「住宅メーカー」とは?

良い住宅メーカーとは、もちろん住宅づくりを真剣に行っている、そして何より建築主の要望・意向に沿った住まいづくりをしている住宅会社のことです。

その反対で相性が合わない住宅メーカーとは、会社自らの保身を優先させた会社のことです。つまり建築主優先ではなく自社の利益優先の会社のことです。自分本位の会社を言いますが、このような住宅会社に出会わないためにも「選択の眼」を養っておく必要があります。


□ 住宅メーカーを見分ける前に、まずすべきことは?

住宅メーカーの見分け方は何の基準もないと見分けるのに苦労します、というか見分けることが出来ません。基準があってこその住宅メーカー選びと言えます。

例えば、1皿100円の回転寿司屋さんと、本格的な御寿司屋さんとでは、出てくるネタからサービスまで全てが違います。

私は、どちらの寿司屋さんも好きですが、住まいづくりとなると簡単に決められません。その選択を誤ると、家族との貴重な時間と大切なお金を浪費することになってしまうので注意したいところです。


□ 住まいづくりの方向性を見定めるには

住まいづくりの方向性は、たくさんあります。何を第一に優先させていくかがポイントになってきます。また家族の中で誰に最終的な決定権があるかで住まいづくりも変わって来ます。家族でしっかりと話しておくことをお勧めします。それからでも住まいづくりは遅くはありません。

「今年中に建てるぞ!」と意気込んでしまうよりは、肩の力を抜いて、落ち着いて冷静に現在の状況を見ることです。まずは、家づくりを家族みんなで楽しむこと。それから住まいづくりに取り掛かることです。


□ 快適な住まいづくりの選び方とは?

私がお勧めする住宅メーカーの選び方は、まず新聞に折り込まれて来るチラシを熟読してみることです。チラシは、住宅メーカーの命と言ってもいいでしょう。

住宅メーカーは、チラシを広告として有料で大量に配布しています。いわば会社が投資をしているチラシは、とても大切なものなのです。チラシに家づくりの情報を掲載して、建築主やそのご家族に、どのように理解していただくかに力を注ぎます。ありきたりのチラシでは、見ても他社との違いがありません。ですが他社とは違う「何か?」を直感的に感じ取れたチラシは、じっくりと時間をかけて読んでみることです。その気になるチラシが、少しでもあなたの住まいづくりの方向性に合っていれば、住宅メーカーを訪れて「何が気になったのか?」を確認してみることです。それは、家の価格かもしれませんし、デザインが気になったのかもしれません。また、その住宅メーカーが提案なするライフスタイルが気になったのかもしれません。それをはっきりさせることからはじめてみましょう。

チラシと共にホームページから情報を得るのも役立ちます。また、住宅雑誌、家づくりの本、友人から聞いた話など、家づくりの基本となる知識を少しずつ積み重ねると家づくりが少しずつ具体的になっていくことでしょう。


□ 住まいづくりの「夢」がイメージ出来ますか?

「夢」のある住まいづくりをするわけですから、「夢」に答えてくれる住宅メーカーを選ばなくてはなりません。カタログやホームページには、たくさんの「夢」が盛り込まれています。しかし、あなたの「夢」そのものではありません。住まいは、同じものはなく1件1件全く違うのですから。

あなた自身の「夢」をカタチに変えることが必要になるのです。

日々の情報収集と共に見学会や勉強会、セミナーに参加してみると良いでしょう。あまり時間のない方は、身近なチラシからしっかりと情報を読み取り、たくさんの住宅メーカーの中から選択して、実際に見に行ってみると良いでしょう。チラシは、あくまでも情報伝達の一部ですから最終的には作り手とコンタクトを取って、相談すると良いでしょう。そのためには、家族の要望をまとめておくなどの事前の準備をしっかりとしておかなければ、相談をしても時間の無駄にはなってしまうので注意が必要です。


次回は、「住まいの問題点」についてご紹介します。


酒井利美