通勤で、
京王八王子まで
西東京バスに乗っている。
ある日のこと、
最後列に座るボクの前に
おばあちゃんとお孫さんと
おぼしき2人、
そして、さらにその前には
こちらは、おじいちゃんだろう方が
座った。
お孫さんは
おそらく2歳から3歳くらい。
ちょうど、いろいろ
しゃべれるようになる時期だ。
おばあちゃんは、
可愛いお孫さんに
いろいろ言葉を教えている。
(以下、色分けで誰のセリフかご判断ください)
「●●ちゃん(男の子)、
ほら、『バス』だよ、バ~ス」。
「ば・・・?ば、す?」
「そうそう♪そうだよ~
(前の席を指して)
このヒトは、だれかなぁ~?」
「あ?う?」
「このヒトは
『じいじ』でしょう。
ほら、じいじ、だよぉ」
「じ・・・じいじ」。
「そうそう♪じいじ」
「じいじ!!」
「そうだよ、●●ちゃん、
えらいねぇ♪」
微笑ましい光景だ。
しぜん、バスの車内は
あたたかな雰囲気になる。
やがて、
おばあちゃんは
バス停の名前を
言わせはじめた。
(つぎは「横川」~)
「●●ちゃん、
『よこかわ』だって。
よ・こ・か・わ」
「よ・・・よこ・・・よこかわ!」
「そうそう、うまいねぇ♪」
(つぎは「水瀬橋」~)
「●●ちゃん、『みなせばし』。」
「み・・・みなせ・・・ばし」
(つぎは「日吉町一丁目会館」)
「うわぁ、●●ちゃん
『ひよしちょういっちょうめかいかん』
だって!
これはむずかしいねぇ~~」
「ひ・・・ひよし・・・?
いっちょ・・・いっちょ?」
バスは甲州街道に入り、
八王子駅に向かっていく。
そして、
「奇跡」が
起きた。
(つぎは
『八日町一丁目』
ようかまち いっちょうめ)
「うわぁ、
●●ちゃん、
これも、むず・・・」
「ヨーカマチイッチョメ!!!」
「えっ?!」
「ヨウカマチ
イッチョウメ!!!」
おお、言えた!!
「●●ちゃん!!
すごおい!!!
こんな長いの、言えるなんて!!」
しぜん、
おばあちゃんの声は大きくなり、
バスの車内も、
拍手であふれ・・・
るような雰囲気になった。
ところが、
「バス停の名前を言わせる」あそびに
おばあちゃんは飽きていたようで、
変化球を投げた。
前の座席を指差し、
「●●ちゃん、
このヒトは誰だっけ?」
「ヨーカマチイッチョメ!!」
え?
「えっ・・・?
●●ちゃん、ちがうよ?
このヒトのことだよ?」
「ヨーカマチ イッチョメ!!」
「●●ちゃん、ちがうちがう
バスじゃないよ、このヒトだよ。
誰だっけねぇ、このヒト?」
「ヨーカマチ イッチョメ!!」
「あああ・・・・
ちがう、ちがう。
このヒトだよ、
こ、の、ひ、と。
『じいじ』でしょ?
『じいじ』だよねぇ?」
「イッチョメ!!」
「●●ちゃん!
『じいじ』!!」
「イッチョメ!
イッチョメ!!
」
もはや、
おじいちゃんは
「イッチョメ」になってしまった。
なんとかして『じいじ』を
言わせようとするおばあちゃん。
それに反して
●●くんは
「イッチョメ、イッチョメ!!」
を連呼する。
車内のお客さんは
なんとか紙一重で
笑いださぬよう堪えている。
終始、無言で
外を眺めていた『イッチョメ』
・・・もとい、
『じいじ』が
志村けん、よろしく、
お孫さんの
「イッチョメ、イッチョメ!!」
にあわせて、
絶妙のタイミングで
「ワーオッ!!!」
・・・って振り返ったりしないかなぁ、
なんてちょっと期待もしたけど、
さすがにそれはなく、
イッチョメは
それでも車窓から
外を眺めるだけであった。
kama
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