― 大阪地方裁判所堺支部 (原告:相手方 被告:私 請求額:550万円)
【主文】
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
昨年(2016年)秋には、裁判官より心証が開示され、2016年12月20日に当事者尋問が行われた後、裁判官より和解のご提案がありました。和解条項案は、今後相互に接触をしないこと、相互に相手方について一切の言論・表現行為を行わないこと、これを守れなかった場合は相互に相手方に違約金を支払うこと、という内容でした。相手方にとっても十分に配慮された衡平な内容でしたが、私が、「和解条項の開示・公開(インターネット上も含む)の許容」を条項に記載することを求めたところ、相手方は和解を拒否し、判決となりました。裁判官は、すでに判決書を書き終えていた3月14日にも、相手方訴訟代理人に対し、数度目の、和解の問いかけ(働きかけ)をされました。
判決は、「自己の正当な利益を擁護するためやむをえず他人の名誉,信用を毀損するがごとき言動をなすも,かかる行為はその他人が行った言動に対比して,その方法,内容において適当と認められる限度をこえないかぎり違法性を缺くとすべきものである(昭和38年4月16日最高裁判所第三小法廷判決)」という視点に基づき(判決書11頁)、名誉毀損の違法性阻却事由(公共性、公益性、真実性・真実相当性)があるかという検討より以前に、そもそもが名誉毀損にあたらず、違法性がない、という内容であったと私は受け止めています。
理解し、支えてくださった方達に、心より感謝します(どれほど支えられたかわかりませんが、その方達について具体的にここで触れるべきではないと思いますので、控えます)。
また、長い期間コメント欄を残してくださったHさんをはじめ、大きな負担をかけてしまった方達に、心よりお詫びします。
以上、簡単ですが、ご報告します。
▶︎ 本人訴訟について
司法研修所の報告書(2010年度)によると、地方裁判所に訴えが提起される訴訟のうち、裁判所から見て「実質的に紛争がある」と思われるのは約2割とのことです。そのうち、原告被告双方に弁護士(訴訟代理人)がついていた訴訟は74.5%、原告のみに弁護士がついていた訴訟は16.3%です。そして、「実質的に紛争がある」訴訟(和解54.1%を除く)のうち、双方に弁護士がついた場合の原告勝訴率は67.3%である一方、被告に弁護士がつかない場合の原告勝訴率は91.2%に跳ね上がります。原告に弁護士がつき、被告が本人訴訟の場合に、被告が勝訴する率は、10%にも届かず、極めて難しいということがわかります。
私が受けた今回の判決を、とても嬉しく思います。
(参考:齊藤雅俊「本人訴訟か,弁護士に相談か」(Bureau de Saitoh, Avocat 2014年4月30日))
