愛犬の心の健康って考えたことありますか?
人間はメンタルヘルスケアとありますが、私は現代の犬にはメンタルヘルスケアは必須で、“心身共に病んでケアするのではなく、病まないケアが大切”になります。
咬むなどの問題よりも、最近は自傷行為や尾追い行動が増加傾向にあり、これらを起こす心理状態は“抑圧”と“葛藤”の状態になっていると起きる。ストレス対応している犬達の心の自衛行為で、脳から心理的苦痛から解放するホルモンが分泌されることで、脳がそのホルモンを欲するようになると犬の個の意思とは関係なく、脳がそれを求めて行動を起こしてしまい、起こすとその快楽ホルモンが得られるとどんどん自己強化してその行動が常同化する。
依存といったり、中毒といったりしますが、それによって適応障害が起こってしまうことで、興奮ではなく、パニック状態(混沌状態)になっているのが、そうした子の状態です。心身共に健全な発育を促す責任が保護者にあります。
気の毒とは何か?目に見えないものなので、知らず知らずのうちに出てしまっているのですが、ネガティブな感情を抱き、犬に向ければ犬を気の毒に浴びせたことになります。
心配、不安などの気の毒で、気が病むと病気になりますが、かわいそう・・心配・・否定的な想いを持つだけでも、犬は病気にかかりやすくなったり、発達や心に問題が生ずることも
未科学ではありますが、実際に20年間観てくる中で、医学では理解できないけど、体調がよくなった、pHの数値が変わって結石ができなくなったとか、アレルギーが改善したということもあります。想いってプラスにもマイナスにも影響する目には観えないものですが、考え方、想いが行動を変えて、結果を変えていくことは道理ではありますね。
20年前にほとんど見ることがなかった尾追い行動も、10年前くらいから増加してきて、最近では、咬むよりも尾追い行動を起こす犬が増えてきているのに、驚きと犬も多くの苦痛を抱える生活をしていることを表していることを感じます。
尾追い行動も、薬を使っていないのに改善する子もいれば、薬を使っても改善しない子がいます。飼い主さんが犬ばかりを”都合というものさし”で良い子、ダメな子と計り、犬のメッセージを消し去ろうとしている実行を続けている。改善した飼い主さんは自分の未熟さ、不足に気付き、自分が成長しないと!と頑張って見える方は、犬のメッセージを活かしているので伝わり納まっているのです。レッスン現場でカウンセリングをしながらサポートをしているなかで、改善するか?しないか?は犬よりも人の心の変化、考え方の変化と比例しているのは感じています。
尾追いや自傷行為をしている犬を観ていて感じるメッセージがあります。
現代は私達人間が修行させてもらわないといけなくなり、修行させるために犬が来ているように思ってしまう。
本来なら教え育てる存在であるべきだが、今はそれを見失い、犬に教え育てられ、鍛えられて成長しているようにも見える。だから、犬じゃなく、飼い主さんのトレーニングのサポートをし、本来の目的を取り戻さないといけないと私は感じています。
家で脅威や苦痛となる行動を犬がしていたら、自分を傷つける行動を犬がしていたら、その犬をなおすのではなく、飼い主さん自身の心を写し鏡となってお知らせしていると思うのです。 かわいそうとか、心配されるほど彼等は弱い存在でないのに、弱い存在という想いが気の毒となってその犬を弱らせてしまっている。それは同時にその飼い主さんも強いのに、弱い、甘えから立ち上がれず気の毒で自分を自分でダメにしてしまっていることに気付け!とグルグル回って、気づいていない状態を犬は表しているように見える。飼い主さんの思考のグルグルが犬のグルグル回る行動に映し出されているのでは?と飼い主さんと一緒に取り組む中で感じます。
想いは目にはみえないものですが、未科学かもしれませんが、長年携わる中で犬が何かを伝えようとメッセージを発しているように感じ、それを伝えて、飼い主さんが本来の自分を取り戻した時に、犬の状態も同じようによくなっていきます。飼い主さんの自分の都合に合う情報だけを入れようと頭がグルグルまわっている時は、犬はそのままですが、自然とこの子にすべき課題を自分に見つけられた時、思考よりも心が動き始めて、元気になる。元気になると犬も元気になって行動も心も穏やかになって過ごすことができるようになっていきます。“犬をなおさず、問題行動を解決する”という私のテーマは、日々のレッスンで得たものです。
飼い主さんの葛藤や抑圧はきっとそれぞれがここまで生きてきた中で得た経験によって人それぞれだと思います。セルフカウンセリングしかこの問題は解決できませんが、飼い主さん自身のポジティブな心をまずは取り戻すサポートトレーニングプログラムが第一に必要です。
犬に生きる力を強く、鍛え育て、人間社会の生きるための行動を教え育んでいくことを“かわいそう”と思うのは、自分自身の甘えや依存ができなくなることの“かわいそう”が深層心理であるそうです。そうなると、何かに理由をつけて犬を擁護して、この子には無理、かわいそうとラベルを貼って、弱めていき、依存して自分の期待を満たすと共に、犬も飼い主さんに依存し、自分で判断する力がなくなってしまうことで、“自由力”の弱化が起こり、成育での障害となる“共依存”が共生問題を引き起こしています。これが様々な犬の行動を引き起こす要因にあります。もちろん、脳神経の疾患によって起こるものはここには当てはまりませんが、甘えではなく育む親心があれば、できるサポートを実施して、少しでも適応力をサポートしようとしていくので、やはり良き未来を共に迎えられます。
本には“気の毒”の毒抜きの方法は書いてありませんし、気の毒を発していることを飼い主さんに気づかせてくれる専門家も少ないでしょう。気の毒は犬の心をダメにするだけでなく、発する人自身の心も毒に侵されてしまいます。
まずは気の毒の発する“毒親”脱出をしませんか?
