今週は頭から大変でした。月曜に6件の捕獲に加えてミカン園から同時に2件新規設置の依頼があり、一日では対応できないので一部を翌日に回したほどでした。
仲良く姉妹で
平均的なオス
7㎏のメス
泥だらけの独り立ちしたてのガキンチョ
この時期にしては異様な数でしたね。で、さらに問題だと思ったのが火曜日にまとめて対応したミカン園の様子です。
ここのミカン園には8月から9月にわなを仕掛けていたのですが何も捕まらず、その時はミカンも熟していなかったので大した変化もなかったのですが・・・ミカンが食べ頃になってきた今週になって急に食害が押し寄せてきたようです。見ての通り、ほぼ一晩で木一本分の実が食い散らかされています。
しかも性質が悪いのが、食害に遭ってるのは全ての木というわけではなく古くて実の甘い木、彼らからすると「うまい」と見なされているらしい木ばかりらしいことです。他の木はこの通りあまり手を付けられてません。
もう一つのミカン園も同じように食い散らかされてましたが、まずアライグマとハクビシンは木を登ってなった状態の実をそのまま食べようとしている様で、うまく食べられた実は頭の部分を残してもぎとられています。ミカン狩りの人よりも巧妙な狩り方ですね。
古谷先生の講演だと農作物は電気柵や鉄の柵で囲むべきだと言われていますが、こうした斜面の広大なミカン農園なら防ぐのには多大な労力と費用がかかってしまうでしょう。
この事態で憂慮されるのは、この二つのミカン園のかたいわく、これまでミカンが食べられることはなかったのが、今年に入って初めてミカンに手を出されるようになったということ。これまでも近所でアライグマやハクビシンは目撃されていたようですが、なぜか被害はなかったとのこと。ただし、このミカン園の中で1件だけ何年も前から食害に遭って捕獲を続けている園もありますのでなぜ手出しされなかったの理由は分かりません。
しかしともかく、この園では数日前にご自分で仕掛けていた罠には「見たことも無いほど太ったアライグマ」が捕まったようで、彼らがこんな山岳地帯で何を食べてここまで太ったのかを考えると、本格的にこのあたりのアライグマたちがミカンに目をつけ始めているのは確かなようです・・・。
アライグマはそもそも、平地で暮らす生物で、このような山岳地帯での捕獲はこれまでにもありましたが決して数は多くありませんでした。しかし、たとえ不慣れな地形でもエサが大量にあり、さらに安全に暮らせるような場所があれば・・・彼らはすぐに侵入してくるでしょうし、現にしている。これはまさにその兆しでしょう(もう何年も前からなのかもしれませんが)。
ミカン園の背後には木々に覆われた山の頂上部分があり、痕跡からしても動物たちはこちらから下ってきているはずです。これだけ険しい山の上でもアライグマは住み着くことができる・・・。そりゃ当然、列島全体に広がりますよね。
この事例から懸念されるのは、ここよりも大規模な果樹園(愛媛とか和歌山など)があるような地域にアライグマが侵入してしまい、その味を彼らが知った場合です。被害額も規模も段違いでしょうし、あまりにも敷地が広大すぎて農家の方々が対処したり察知するのも困難になってしまうはずです。そうこうしてる間に豊富な餌にアライグマ多うじゃうじゃ集まり、仲良く共有され、仲良く繁殖して手を付けられなくなっていく。
・・・はぁ、まずいですね。