2024年6月29日

 

      

 

三谷幸喜さんの一人息子(以下 Jr & 敬称略)が10歳になったと、いつもの新聞連載

エッセイで知りました。

 

三谷幸喜 Jr については、この連載エッセイに頻繁に登場するのですが、毎回実に興味津々愉快適悦吃驚愕然の内容で読む度に感心しています。

「昔話『桃太郎』の状況設定について疑問を抱く9歳」「吉田松陰に興味を持つ9歳」について、すでに過去二回投稿しています。

 

その投稿時にはまだ9歳だったのですが、今年めでたく10歳になったようです。

10歳と云えば多分小学4年生ですね。Jr 本人の写真はあっても掲載不可なので、一応

代わりに父親の写真 (こちらは掲載可) を載せておきます。

 

      

 

今回のエッセイでは、現在読んでいる本について語られていました。

 

まず、最近の Jr は漫画をよく読んでいて、お気に入りは「ゴールデンカムイ」と「1・2の三四郎」らしいです。後者は父親の本棚から見つけてきたようです。

 

最近ではジブリアニメを筆頭として、世間にも評価認識されるようになりましたが、私が幼少の頃には漫画というと拒否反応を示す大人がまだ少なからずいましたね。

 

個人的には昔から大友克洋、つげ義春、さいとうたかを、白土三平、ちばてつや、いしいひさいち、といった方々の漫画を読んできました。

また最近の漫画、アニメコミックスについても決して侮れず、素晴らしく感銘を受ける作品が多くて、これについてはいずれまたの機会に投稿したいと思っています。

 

エッセイに出て来る漫画については、10歳に似つかわしいと思ったのですがこの父親は、寝る前に本を息子に読み聞かせるという習慣があるようで、先月選んだのはこれなんだそうです。

 

      

 

これはおよそ小学生が読むような話ではないのですが、そこはさすがのスレッサーでその語り口のうまさのため、Jr もすっかり虜になったとのこと。

 

ご存知の方も多いとは思いますが、この作品は三谷エッセイのイラストを描いていた和田誠氏が監督した映画「怪盗ルビイ」の原作となった作品です。

 

      

 

小泉今日子&真田広之主演で、1988年公開なのでかなり昔の映画ですね。

 

ここまではまだ序の口なのです。この本が面白かったことを切っ掛けに、Jr 本人の

希望で寝る前の読み聞かせではなく自分自身で別の小説を読んで見たいということになり、父親が選んだのがこれです。

 

      

 

なんと、アガサクリスティ「そして誰もいなくなった」なんですね。

 

ハヤカワジュニアミステリ版は、通常の文庫版と比べると漢字にルビが振られ翻訳も小学生向けに読み易く直されていますが、原作には忠実。(以下エッセイからの引用を含みます)

 

三谷氏もエッセイ中で語っていますが、小学生でもジュニアミステリ版でクリスティ作品が読めるとは、いい時代になったもんです。

 

しかし、ご存知のようにこの小説は異様なストーリーで、タイトルどおり十人の主要

人物がみんな死んでしまいます。

ハヤカワジュニアミステリ版だと、全体で372ページ、最初の犠牲者が102ページで

出て、あとの270ページで10人が亡くなってしまいます。27ページに一人の割合。

 

とはいうものの強烈なサスペンスで緊張感は最後まで途切れないトコロが、ミステリの女王と異名をとる、さすがのアガアクリスティ作品ですね。

 

一週間ほどで読了した Jr の感想は「まさか〇〇が犯人だとは思わなかった。クリスティって凄いね」

 

現在は、クリスティの次の作品に取り掛かっているそうで、それがこれです。

 

      

 

選書した三谷氏もさすがですが、小学生向けに読み易く翻訳されているとは云っても

アガサクリスティ作品を次々と読破していく10歳。

 

桃太郎の件といい、吉田松陰の件といい、将来が楽しみな小学4年生がいるもんです。