2024年6月15日
先週冒頭で、落語に少し触れたらすっかり落語の口になってしまい、おりしも図書館に予約していた「師匠」という本が借りられることになって即読了し、これはもう
今回はこれで行くしかないなぁ、とゆーことで今回は落語です。
温室植物園の展示や Beatles あるいは Zeppelin もしくは Jazz はたまた 新刊がまた出たヨシタケシンスケさんの絵本、についての投稿を待っていたんだという奇特な、正面から右半分のお客さんは一回休憩しておいてください。
著者は、冒頭にアップした高座画像「立川志らく」という落語家です。
以下、面倒くさいので、師匠とか何代目とかいう敬称は割愛させて頂きます。
冒頭の画像だけでは「誰それ?」と思うヒトが居るかもしれないので、眼鏡を掛けた顔のアップも付け加えておきます。
最近、本業の落語は勿論ですが、テレビのワイドショーでコメンテイターを務めたりバラエティ番組で俳句を詠んだりして出演しているので、この写真を見れば「あぁ、あのヒトか」と思う方も多いことでしょう。
このヒトが昨年11月に「師匠」というタイトルの本を上梓したので、図書館に予約
したのですが、市の予算の関係で取り寄せが遅れていまい、先日やっと借りることが出来たというワケです。
第一章から四章に分けて、師匠、つまり立川談志に入門することになった経緯から
現況までが詳細に綴られています。
この本を読んで初めて知ることも多数あって、落語好き、特に立川流が好きなヒトにとっては堪らないエピソードが満載です。
たとえば、志らくという名前は師匠の談志がフランス公演に行った時に、当時パリの
市長だったジャック・シラクに会う機会があって、後々これは大統領になる男だと
思ったので、当時まだ名前が無かった弟子(志らく=本名:本間一弘)に命名したというのですが、その後ホントにジャック・シラクは大統領になってしまいました。
立川流で現在有名になって世間に知られている落語家筆頭には、このヒトがいます。
ついこないだまで NHK の「ためしてガッテン」でMC を務めていて、今も龍角散の CMなどでお馴染みの立川志の輔です。
また公演チケットを獲るのが困難ということで有名になり、いろいろなドラマの出演に引っ張りイカ、もとい、引っ張りだこで、超多忙な立川談春もいます。
このヒトの著作には「赤めだか」という本があって、これも師匠談志との馴れ初めや
経緯などが詳細に面白く語られている興味深いエッセイです。
談志の弟子、つまり立川流は1982年に落語協会からの離脱騒動があって、現在も年中興行を行っている東京の寄席、つまり定席、新宿末廣亭、上野鈴本演芸場、浅草演芸ホール、池袋演芸場などには出られません。
立川流の落語家は、自力で独演会か地方巡業あるいは本業である落語以外の TV 番組出演、もしくはドラマ出演等で生きていくしかない状態なのです。
それでもこのような売れっ子の落語家が続々と輩出しているというのは凄いですね。
恐るべし立川談志一門。
実際ホントのトコロ、私は東京落語については、あまり詳しくありません。
馬生、小三治、志ん朝は好きで聴いていましたが、もともと生まれも育ちも関西なので上方落語の四天王、松鶴、小文枝、春団治、米朝を主に専ら聴いていました。
特に米朝一門には思い入れがあって、枝雀の「宿替え」「親子酒」「代書」「鴻池の犬」などは今でも暇さえあれば聴き直していますが、何度聴いてもこのヒトならではの面白さは飽きずに新鮮ですね。
以前、落語については何度も投稿して、そこにも書いた覚えがありますが、現在は
米朝門下「吉朝」の一番弟子「吉弥」に注目しています。
出囃子に真室川音頭を選んだというのがイイですねぇ。アナタ、真室川音頭を聞いたことがありますか?
今回は立川志らく箸「師匠」がメインテーマなので、上方落語についてはほどほどにしときますが、機会があればまたじっくりと触れたいなぁと思います。
「著者略歴」
「奥付」
本書の終わりには、こう書かれています。
「志の輔は、師匠を反面教師にしてソフトな談志になろうとしている」
「談春は、落語の芸の部分だけ談志になろうともがいている」
「そして志らくは、談志そのものになろうとして世間から笑われている」
落語に興味のないヒトにも、本書を読まなくても機会と暇があればぜひ一度このヒトたちの落語を聴いて頂きたいです。なお、上方落語もお忘れなく。
追伸:米朝一門の桂ざこばが、12日に喘息のため亡くなられました。享年76歳。
ここに謹んで哀悼の意を表し、お悔やみ申し上げます。