2024年5月25日

 

      

 

椎名誠の新刊です。「続」と付いているように2022年11月に刊行された「失踪願望。コロナふらふら格闘編」の続編です。

 

まず、表紙を捲った次に出て来る扉ページがこれです。

 

      

 

基本的には前書と同じ体裁で日記なんですが、本文と下1/3の部分にその当時の出来事や登場人物の説明がしてあるので、あぁこの頃には世間を騒がせていたこんな事が

あったんだと思い出しつつ、また文中に登場する人物はこういうヒトなんだなと理解できて、ずんずんワシワシガンガン読み進んでいけます。

あ、いかんいかん、ついつい椎名誠のような語り口になってしまうなぁ。

 

本書の砂糖、ではなく、塩、でもなく、酢、と書いていくと、あぁ、またいつものフレーズが始まったなと思われるでしょうが、そんなことは歯牙にもかけず、琵琶湖にもかけず、続いて、醤油、は近いぞ、そうそう、味噌です、本書の『ミソ』は・・・

 

あるいは、肺、ではなく、心臓、でもなく、腎臓は違うな、胆嚢の近くにある、そうそう、肝臓です、本書の『キモ』は、目次にも出て来る「さらば友よ!」ではないかと、勝手に個人的にはそう思います。読むヒトによって捉え方が違うでしょうから

断定はしませんが。

 

      

 

その前に、目次の「下駄ばき、ケトばし、広い空」の項で、個人的によく知っている

人物が登場したのに驚きました。そのヒトの名前は「神山恭昭 (こうやまやすあき)」さんといいます。

 

      

 

このヒトの著作は、殆ど購入して読んでいるので以前に投稿したこともあります。

椎名さんは本書文中で「面白い天才ゲージュツ家」と紹介していますが、松山在住の絵日記作家さんです。

『わしの新聞』『わしの研究』など、印刷活字無し全編手書きの著作があります。

 

下にアップしたのは小冊子に連載していた時の『わしの研究』のページです。

 

      

 

「みにくい」と打ち込んだら漢字変換候補の最初に「醜い」と出て来たので、思わず「誰がじゃ!」とツッコんでしまいましたが、上の写真だけでは「見にくい」ので

最初と最後の部分をズームアップしておきましょう。

 

      

 

      

 

松山百点(これについても以前に投稿した気がしますが)という、松山百店会が発行している小冊子に連載していたもので、ずっと愛読していたのですが、残念ながら

この「Vol.356 新緑号 2024.5」が最終回で、連載は終了してしまいました。

 

松山百点は隔月刊でデザインや記事も地方色満載で素晴らしくて、神山さんの連載が終了した後も定期購読は続けています。

 

どうですか、この表紙。雑誌の表紙とはこうありたいという見本のようです。

どこかの女性週刊誌の表紙がゴミみたいに思えませんか。

いかんいかん、女性週刊誌のゴチャワチャ表紙が大好きという愛読者様に失礼ですねスミマセン。

 

      

 

長くなるので、これについてはこのへんにしておいて元に戻ります。

 

「さらば友よ」については以前に投稿しましたが、本書以前に出た文庫新刊「文庫版のためのあとがき」で、盟友である目黒孝二氏の訃報に少しだけ触れていました。

     

      

 

      

 

本書では、日記の文中にリアルタイムで目黒孝二氏との遣り取りが書かれていて、

文庫本の「さらば友よ」ではなく、改めて「さらば友よ!」と題して本編の日記とは

別の一篇が書き下ろされています。

 

こないだは、ヨシタケシンスケさんの新刊を図書館に予約しに行く時に、The Beatles

の helterskelter という曲が頭の中をガンガンと駆け巡りましたが、今回はこの一編を読んでいたら、同じ The Beatles なんですが、RUBBER SOUL というアルバム中の

 In my life という曲が、頭の中を静かに流れていきました。

 

The Beatles のハナシついでと云ってはナンですが、これからさぁ頑張ろう!という時には Everybody´s got something to hide except me and my monkey という、長たらしい題名の曲を、最近よく聴いています。

 

初期の please please me という曲にも come on come on という歌詞が出て来て

きますが、この曲はそれ以上にやたら come on come on come on ! と繰り返すので聴いていると「おー、いったろやないかいっワ~レ~!」と、大阪の新世界で朝から生ビール定食¥480 で酔っ払っている、頭にタオルの鉢巻をしたおっちゃんのような気分になり元気が出てきます。いや~、やっぱりイイなぁ The Beatles は。

知らないヒトは、いい機会だと思ってぜひ一度聴いてみてください。

 

いつものように、例によって、お馴染みのいらんことばかり書いて寄り道していたら長くなってしまい、本編についてはあまり触れられないことになりました。

二回に分けて投稿するのもナンなので、また機会があれば書くことにして一応今回はこれでおしまいにします。

 

本書には、生前に目黒氏から指摘されていたという、今まで故意に避けている「怒濤の奔流的私小説」を、近々書き上げるようなことに触れてあったので、出版されるのを楽しみにしています。

 

      「著者略歴」

      

 

      「初出」

      

 

      「奥付」

      

 

      故「目黒孝二&北上次郎&藤代三郎」氏(一人三役)

      

 

      合掌