2024年4月27日
何となく成り行きで、NHK の大河ドラマを見ていたのです。
今年は、紫式部がドラマの主人公だということは、繰り返しますが何となく成り行きで知っていたのです。で、こないだの回を見ていたら、いきなりこのヒトが登場したので吃驚しました。
私の役者についての頼りない知識では、確かこの人は「ファースト・サマーウイカ」
さんではないかと思って調べてみると、やはり間違いなくその人でした。
「清少納言」の役なんだそうです。
ふーん、NHKの演出もなかなか面白い配役をやるじゃないか、と思いました。
などと思いながらさらに見ていると、なんと、このヒトも出ていました。
おい、おい、映画「UDON」で、小西真奈美さんと一緒に主演を務めた「ユースケ・サンタマリア」さんではあーりませんか。
陰陽師「安倍清明」の役なんだそうです。
再度、何回も繰り返して申し訳ありませんが、思いました。なかなか面白い配役を
するじゃないか。
いや別に誰が演じてもいいんですけど、この度の大河ドラマに係わる NHK の演出陣は、カタカナ表記の俳優さんがお好みなんでしょうか?
ついでに書いておくと、藤原実資の役はお笑い芸人の秋山竜次さんでした。
民放のテレビ番組に出ているのをこれも何となく成り行きで見て、その何とも怪しいキャラの役作りは知っていたんですが、このヒトがまた思わず「役者やの~!」と
言いたくなるような、見事な怪演技をしているのです。
一体、誰がこのヒトをこの役に採用しようと思い付いたんでしょうか。
そこまでやるなら、赤染衛門(あかぞめえもん)という「ドラえもん」のような名前の、藤原道長の正妻である倫子(ドラマでは黒木華さん)に仕える博識な女官が登場するのですが、それこそカタカナ表記の役者連なりと、この時代ではふくよかで下膨れの容貌が、美しいヒトの典型とされていたらしいですから「マツコ・デラックス」さんが演じたらと、思ったのです。
最近はいろいろな TVやCM で起用出演されて人気を博しているようですし、役者としての演技力は申し分ないトコロでしょう。どうですか、面白いと思いませんか?
そういえばと思って調べてみたら、このヒトはNHK の番組には出ていないんですね。
NHK に出るには事前に必ずオーディション審査があって、それにパスしないと出演
できないんだと聞いたことがありますが、NHK はオファーしないんでしょうか?
いいと思うんだけどなぁ。
ちなみに、その昔浅田美代子さんの「赤い風船」という曲がヒットして、歌手としてNHKの歌番組に出演しようとしたら事前のオーディションで音程を外しまくって、
大御所で元歌手の某審査員を呆れさせ不合格になり、出演を断念したらしいです。
ちなみに×2、この大御所で元歌手の某審査員は、吉田拓郎が無名の頃に同じくNHKの
オーディションを受けに行った時に、生ギター一本で「イメージの詩」を「♪ これ~
こそはと信じられるものが・・」と歌い出したトコロで、ブザーを鳴らしヤメさせて追い帰したそうで、あれは歌ではなくジーンズとTシャツの格好で行って歌ったことが、大御所審査員の気に障ったに違いないと、これもラジオで吉田拓郎本人が語っていました。
元夫婦共々、この某審査員からはダメ出しされたようです。
そんなことはいつものようにどうでもいいんですが、ドラマで赤染衛門は、私がよく知らない年増の(失礼)美人女優さんが演じていました。残念。
で、よく見ていると主演の吉高由里子さんが演じている紫式部は「まひろ」という
名前なんですね。ちなみに、清少納言は「ききょう」という名前になっていました。
おいおい、この時代の女性の本名は史実には残ってはないんじゃないの?と、思ってドラマの作者を改めて確かめたら、なんと人気脚本家の「大石静」さんでした。
なるほど、さもありなん、大石静さんが時代背景を考慮しつつ、自由に作った物語
だったんですね。まさに大石静ワールド全開です。
そもそも、この時代背景に沿ったドラマを制作しようと思っても史実を裏付ける書物が殆ど残ってないらしいのです。
ドラマでは、清少納言と紫式部に面識があるようになっていますが、後でその根拠と背景に触れますが、そんな記録文書(もんじょ)は残って無いと歴史学者の磯田道史さんが、NHK-BS の番組で語ってました。
蜉蝣日記(かげろうにっき)を書いた女性も、ドラマでは「寧子(やすこ)」という名前で登場していましたが、実際は「藤原道綱の母」ということしか分かってないのです。
さて、このヒトが「この世をば我が世とぞ思う望月の欠けたることの無きと思えば」という和歌で有名な、今回の大河ドラマで紫式部とともに中心となる藤原道長です。
ドラマでは柄本佑さんが演じていて、吉高由里子さんの「まひろ(紫式部)」と幼少から永遠の恋仲であったように描かれていますが、歴史研究家の間では「それはないだろう」というのが定説なんだそうです。
実際に、紫式部は藤原宣孝(劇中では佐々木蔵之介)と結婚して一女を授かった後で死別しており、道長とは恋仲ではなくて単なる主従関係だったようです。
紫式部(まひろ)のお母さんが、道長の兄である道兼に殺害されて、それがトラウマになっていて道長に繋がっていくという筋書きもドラマとしては面白いと思いますがそんなことを書いてある歴史書はどこにも残っていません。
でも、も、スト、も、しかし、も、案山子も無いんですが、さすがに大石静さんですね、よくこんなストーリーを作ったもんです。
清少納言が女官として宮中に仕えたのが、藤原道隆(道長の兄)の娘である中宮定子(ドラマでは「さだこ」ですが、私は「ていし」と習いました)であったのに対し、紫式部は藤原道長の娘である中宮彰子(これもドラマでは「あきこ」ですが、私は「しょうし」と習いました)の女官として仕えたということで、同時代に生きた博識の女流文学者なのでお互い意識はしていたかもしれませんが、ドラマのように直接
会話したりするような関係では無かっただろうという考えが主流だということです。
大河ドラマは、三谷幸喜さんが書いた「鎌倉殿の13人」「新選組」「真田丸」をよく見ていましたが、今年の大石静さんも三谷幸喜さんに負けず劣らず自由奔放に物語を作っていて、これからが面白くなりそうで楽しみです。
蛇足ですが、オープニング映像のバックで流れるテーマ曲のピアノ演奏が、これまた
見事で素晴らしいなぁと思いながら聴き惚れていたら、ピアノ演奏「反田恭平」と
クレジットされたので、ナルホドと納得しました。
さすがにショパン国際コンクールで二位になったピアニストだけあります。
ピアノについてはド素人の私が聴いても凄いと思うんですから、まだ聴いたことの
ないヒトはオープニングテーマだけでも聴いてみて下さい。
素晴らしいですよ。
なお、この投稿内容は私が高校時代に日本史で習ったことや、NHK-BS の番組「英雄たちの選択」で磯田道史氏や、歴史研究家の皆さんが語っていてことから得た知識を基にして書きました。
文献が少ないこともあってか、この時代の人物関係の解釈には諸説ある、ということを付け加えておきます。