2024年1月13日

 

     

 

タイトルと画像が違うんじゃないのぉ?と、スルドイ指摘をされるジャズ好きのアナタには、非常に申し訳ないコトになってしまいますが、今回は「ジャズ」についての投稿ではありません。

 

とはいうものの、折角画像をアップしたので、説明 & 言いワケ & 悪いワケをして

おきましょう。

 

冒頭の画像は、多少なりともジャズを聴いているヒトなら、知らないヒトはモグリ(ここでは「ある集団に紛れ込み、あたかもその一員のようなふりをしている者」という意味です)だと後ろ指を指されても仕方のない、偉大なサックス奏者「ジョン・コルトレーン」のアルバムです。

 

今回のタイトルは、この「MY FAVORITE THINGS 」を真似しました。言ってみればいや言ってみなくても、早い話が、いや遅い会話でも、パクりました。

元々は、ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の、劇中曲であるこの曲をカバーしたアルバムです。

 

直訳すると「私の好きなモノ」で、また「THINGS」と複数形の「S」が付いているので「好きなモノ」は沢山あるということが分かります。実際、原曲を聴くとその歌詞には、いろいろ好きなモノが出て来ます。

 

さて、本題。正月休みの暇潰しに my 本棚を漁っていたら、こういう懐かしい本を

見つけて読み耽ってしまったというトコロから、始まります。

 

      

 

      

 

かなり昔のことになりますが「エンピツ賞」という文学賞があったのですよ。

表紙と裏表紙の帯に、どういう文学賞であるのかということが書かれています。

一口で言うと、帯に書いてあるとおりそのままの「笑える文学賞」です。

 

奥付を見ると「1984年発行」になっているので、今からもう40年も前のことなんですね。いやー、ついこないだのコトのように思えますが、そりゃ、ま、知っているヒトも少ないでしょうなぁ。

 

      

 

パルコ出版から「ビックリハウス」という雑誌が発行されていたことも、覚えているヒトは今やもう殆どいない絶滅危惧種ではないかというほど、少ないと思います。

 

今回、エンピツ賞傑作選を見つけたついでにゴソゴソ探してみたら、ビックリハウス保存版の特別号が一冊だけ出て来ました。それがこれです。

 

      

 

      

 

奥付を見ると「2004年」発行になっていました。

 

      

 

奥付には、現在でも多方面で活躍されている懐かしい方々の名前が見受けられます。

 

「エンピツ賞」「ビックリハウス」を見たことも聞いたこともない「なんじゃそれ」というヒトのために、簡単に説明しておきましょう。

 

ビックリハウスという雑誌は、いわゆるパロディ・ナンセンスギャグを中心に、読者投稿を主体とした雑誌でした。そしてエンピツ賞は、ビックリハウス誌上で読者から募集した「作品」を、選考委員が熟慮&熟考を重ねて選んだ一編に贈られる賞です。

作品のジャンルは問わず、小説でもショートショートでも、面白ければいいという、何でもありだったと記憶しています。

 

小説の入選作品も多数あったのですが、紹介すると長くなって大変なので、ここでは

短編(殆ど一行の掌編です)を挙げておきます。

以下『 』内がタイトル、「 」内が作品内容です。

 

『ショートショート』「私は足の短い遊撃手だった」

 

『数学』「〈問〉三角形ABCD の内角の和を求めよ」

 

『変人』「その人は、ふつうの人だった。そこが変わっているのだった」

 

などなど、書き出すとキリがないのでこのくらいにしておきますが、とにかく衝撃の

文学賞でしたね。

 

傑作選の巻末には、選評も載っていて、第16回の講評者には「椎名誠」「東海林

さだお」「村松友視」「高橋章子(ビックリハウス元編集長で、当時コメンテイターとしてワイドショーなどによく出演されていました)」といった錚々たるメンバーが並んでいます。

 

ビックリハウス終刊後に、そのテイストを受け継いだのが、地方情報誌「月刊タウン

情報かがわ(TJ kagawa)」の人気ページ「笑いの文化人講座」でした。

たまたま何かの雑誌で紹介されていたのを偶然見つけて、香川在住でもないのにこのページと後に紹介する連載を読みたいがためだけに、年間予約購読していました。

また、この雑誌社は地元香川の大きな公園を借りて、数百人規模の「讃岐うどん王

選手権」なるものを主宰したりする、あまりよくワケの分からない、言い換えれば

得体の知れない出版社でした。

 

なんせ一地方の情報誌なので、未だに私の周辺でここまで知っているというヒトに

会ったことはありません。

知っているヒトがいたら、最低1時間はこの件についてお話したいと思っています。

性別や年齢を問わず、ずっとお付き合いしたいくらいです。

 

      

 

      

 

「なんやねん」「カンちがい」「ダサイやつ」「悲惨なやつ」「世間のハジ」「熱血回文」など、書き出してみると今更ながら面白懐かしいですね。一部紹介してみますと・・・

 

『カンちがい』「野球でフルカウントというのは、ツースリーだから『振るカウント』だと思っていた」

 

『ダサイやつ』「修学旅行で土産に木刀を買ってしまうやつ」

 

『熱血回文』「奈良や!鹿に菓子やらな」「何だ?スダチだす、旦那」「物足りないな、稲荷頼も」「だし巻、まいど!今来ました!」「わしの股の玉のシワ」

回文というのは、上から読んでも下から読んでも同じになる文のことです。

 

面白いでしょ?そうでもないですか。すべて一般読者が投稿した作品なのですよ。

こういうのが毎月載っているワケです。

 

あ、そうそう、ビックリハウスには冒頭に「御教訓」というページがあり、そこにはこういう投稿が採用されていたのを覚えています。

 

「二兎を追う者は一石二鳥」「弘法も木から落ちて、猿も筆を誤る」「石橋を叩いて殴り返される」「今日も元気だ、タバコ買うまい」「犬もある毛は棒のあたり」

 

もしかすると「?」と思われる方もいるかもしれないので、余計なお世話になるかもしれませんが、説明しておきましょう。これは以下の諺というか元の言い方を捻ってあるワケです。

 

「二兎を追う者は一兎をも得ず」「弘法も筆の誤り&猿も木から落ちる」「石橋を

叩いて渡る」「今日も元気だ、タバコが美味い」「犬も歩けば棒に当たる」

 

毎年、一年間に採用された「教訓」を日捲りカレンダーにして、販売していたので、私も買った覚えがありますが、今探してもさすがに残っていませんでした。

 

      笑いの文化人講座「奥付」

      

 

奥付に載っているホットカプセル社はすでにありません。この月刊タウン情報誌で、

もう一つの人気ページが、先ほど少し紹介しかけた連載「ゲリラうどん通ごっこ」(通称「ゲリ通」← 今思うと汚い通称だなぁ)でした。

 

副題が「さぬきうどん 針の穴場探訪記」となっていて、まだ世間に知られていなかった頃のさぬきうどん屋というか、製麺所というか、田畑の片隅に建っている小屋と

いうか、野良仕事の昼食用に個人が作っているのを丼と箸持参で食べさせて貰う(侮るなかれ、これが抜群に美味しいらしいのです)など、この連載が火付け役になって県内外から大勢のヒトが押し寄せて、現在では掘っ立て小屋から立派な有名うどん店に変貌していたりするのです。

 

今回は文章が長くなってしまい、そろそろ読むのが飽きてきたことでしょう。

書く方も疲れてきました。今から思えば、エンピツ賞と文化人講座を2回に分けたら

良かったのです。しかしここまで書いてしまったからには、後戻りはできません。

 

ここで一度休憩!コーヒーブレイク。あと少しで終わるのでお互い頑張りましょう。

 

さて、連載を書籍として纏めたのが、これです。書店に買いに行ったら、ホラー小説

やミステリー小説と一緒に並べてありました。

 

      

 

写真は第一巻ですが、全部で5巻まで出た筈です。その後、新潮社から文庫二冊に分けて再出版されましたが、すでに絶版になっています。

 

この本の売れ行きが好調だったのに味を占めたのかどうか分かりませんが、こんな

書籍まで出す始末。

今では県内に1000軒を超えていると思いますが、当時(2000年8月)710軒あった香川県のうどん屋さん全店(うどんが食べられる製麺所、セルフサービス店、掘っ立て小屋など含む)を、住所、地図、写真、メニュー、値段付きですべて紹介してある本です。

 

      

 

この出版社の社長兼編集長だったヒトは、現在香川にある某大学の教授になっていてうどん食い集団「麺通団」の団長でもあるという、これまたワケの分からないことをしています。

「麺通団」は当時のメンバーではありませんが、団長および団員2名と団員見習いの

女性1名、合計4人で、FM 香川の毎週末15分番組「うどラヂ」を放送しています。

興味のあるヒトは、radico か podcast で聴取可能ですのでご一聴下さい。

面白いですよ。

 

ただし、私個人の好みで言っていることなので、聴いてみたら「なんじゃこりゃ」と思うヒトが大半かもしれません。(いかんがなー)