2023年12月9日

 

      

 

あれーっ? 前回の続きで今回は「カトレア」じゃないのぉ!と言いたいお気持ちは、

よーく分かります。でも、しかし、急遽この投稿をしたくなってしまったのです。

前回少しだけ触れましたが、吉田拓郎と同じく私が敬愛して止まない椎名誠の新刊

文庫本が出たのです。

 

でももストもへったくれもないぞー、政治資金規正法を順守せずに余ったカネを裏金に回す幹事長や大臣が続出すれば、総理としての任命責任が問われるぞー、と非難

叱責したいお気持ちもよーく分かります。

 

そうゆーヒトには「その件につきましては現在調査中でもあり、投稿当事者として、この場での回答を控えさせて頂きます」と、パーティ券の裏金疑惑についての野党の追及に対して、派閥領袖のヒト達のあまりワケの分からない答弁と同じようなことを恥ずかしながら、ワケの分からないまま、私も一応書いておきます。

 

まぁ、そう目くじらを立てなくてもいいではないですか。いや、政界の裏金疑惑は

別ですよ。私の「カトレア」の投稿については、次回ということもあることだし、

たまには本についての投稿を読むのもイイもんですよ。(と、宥めておいて)

 

さて、この文庫本の元々は単行本として2020年12月に刊行されています。

それが、これです。

 

      

 

ですから、新刊文庫の内容はこの単行本と同じです。では、なぜ、改めて、カトレアも紅葉も、はたまた派閥の領袖も差し置いて急遽投稿したのか?

その答えは、この文庫本の目次にあります。

 

それが、これです。

 

      

 

この写真画像では見辛いので、見て欲しい所をズームアップしたのがこれです。

 

      

 

単行本では「八丈島の海へ~あとがきにかえて」までで終わっていました。

 

今回、新刊文庫本として出版するにあたって「さらば友よ~文庫本のためのあとがき

」と「解説」が加筆してあるんですね。

 

椎名誠の新刊文庫本が出ることは、いつものように新聞の書籍広告で知りました。

 

      

 

この時点では、既に単行本は読んでいることだし改めて文庫本を図書館にリクエストして読み直すのもどうかなぁ、と思っていました。

 

が、休日の暇潰しで偶に行っている近所の書店に、新刊文庫本として置いてあったので「どれどれ」と手に取って目次を見た途端、この文庫本は手元に置いておきたいと

思って、即購入してしまいました。

 

なんということでしょう?(家をリフォームする TV 番組のナレーションふうに)

匠(誰が「たくみ」や!)が書店で本を購入するのは何年ぶりでしょう。

それくらい、この目次にコンパクトを(小さく纏めてどうする)もとい、インパクトを受けたのです。

(一応、少しだけボケてみました)(今回は本のタイトルと内容がシリアスなので、

期待しているヒトには申し訳ないのですが、あまりボケはかましません)

 

文庫本には「解説」が付きモノなんですが、この解説を書いているのは、あの書評家「吉田伸子」さんなのですよ、これが。

 

例によって、いつものように「あの」書評家と言っても「そんなヒト、ウチ知らへんわ」(現在、朝ドラ出演している主人公の大阪弁口調で)というヒトが殆どだとは

思いますが、「本の雑誌」の助っ人(このあたりの事情は「本の雑誌」で検索したら出てくるので調べてみて下さい)から始まって、その後ご自身が本の雑誌社に編集者として勤務して、現在は書評活動をしているという経歴の持ち主、その人です。

 

      

 

ここまでで本の紹介もせずに、ずいぶんと投稿スペースを使ってしまったので、急いで書きたいことを纏めます。ホントは二回に分けて書きたいのですが、後になんやかやいろいろと投稿ネタが控えているのでそうもいかず・・・

 

2023年1月19日、目黒孝二(書評家:北上次郎、競馬コラムニスト:藤代三郎)氏が

旅立ってしまいました。

「本の雑誌」を一緒に立ち上げた、椎名誠氏の盟友です。

 

      

 

吉田伸子さんの解説には「本の雑誌が椎名さんと目黒さんの子供だとしたら、椎名

さんが父親で、目黒さんは母親だった。私は母親を、そして椎名さんはベストパートナーを喪ってしまったのである」と綴っています。

 

単行本は、冒頭にも書いたように2020年に上梓されているので、出版時に椎名誠が

その感想を訊くと、滅多に仲間内の書いた本は褒めない目黒氏が「なによりも、書名『遺言未満、』が意表をついて秀逸だ」と、きっぱり言ったそうです。

 

本書の内容を一言でいうと「『死』について思うこと」です。そして、目黒氏の死についてのいろいろなことが、「文庫本のためのあとがき」に綴られています。

 

目黒氏との最後のやりとりは、こう書かれています。

 

ステージⅣの肺ガンが見つかって余命一ヶ月と宣告され、入院している時に電話での短い話の最後に「じゃあな」と言った。「あっけなかったけれどおれたちの『さらば友よ』の挨拶はそれだけだった」(2023年10月)

 

実は「遺言未満、」に関連する内容で、2013年に「ぼくがいま、死について思うこと」という本も書かれています。その本でも死について語られていますが、さらに

深く掘り下げているのが本書で、巻末に40本以上の参考文献を載せているのを見て

当時(2020年)は、単純に「凄い文献数だなー」と思っていました。

 

世界各地の様々な葬送の仕方や、昨今テレビ CM で頻繁に流れてくる葬祭ビジネスについての考察など、考えさせられました。

内容の一例として紹介すると、世界には実に様々な葬送があるそうなのです。「火葬」「土葬」「風葬」「樹上葬」「ミイラ葬」「水葬」「鳥葬」「舟葬」「樹木葬」などなど。

 

先程、吉田伸子さんの解説の一部を紹介しましたが、この解説がまた素晴らしく秀逸なので、機会があれば立ち読みでもいいので、目を通してみて下さい。

「もう若くない読者にはもちろんだけど、年若い読者にも、ぜひ本書を読んでもらいたい」と結んでいます。

 

単行本の時に「死は誰でもイヤだろうが、どんな人にも必ずいつかは訪れる」ということを思いましたが、あれからさらに時間が過ぎた今、改めて考え直しています。

 

      「出典」

      

 

      「奥付」

      

 

      「著者略歴」

      

 

著者略歴を見ると、椎名氏は「1944年6月生まれ」なので、来年は傘寿(さんじゅ)

80歳を迎えることになります。もう、世界中の辺境を旅したり、仲間と無人島に行って焚火を囲んでバカ騒ぎをするトシは過ぎ去り、本書のようなことを深く掘り下げたくなる心境に到達したということに、一抹の侘しさを感じたりしています。

 

 

追伸:「いいね」を開放した結果、たくさんの方に「いいね」して頂き感謝感激雨霰

(かんしゃかんげき、あめ、あられ)です。一応、みなさんの投稿を拝見していますが、すべてに目を通しているかと問われれば心許ないというトコロです。(こんなに

「いいね」や「フォロー」して頂くとは思いませんでした)

 

以前「コメントする」を開放していた時にコメントを頂いた方も、たくさんお見受けしましたし、旧友に再会したような懐かしい感じがしています。

 

これからも私の我儘勝手な拙い投稿を、引き続き懲りずに楽しんで読んで頂ければ

嬉しい限りです。