自民党の杉田水脈衆議員のアイヌ民族に対する人権侵犯以降、改めてアイヌに関しての本を読んでいます。
先日の『アイヌのことを考えながら北海道を歩いてみた』(カベルナリア吉田、ユサブル)に引き続き、今日はこんな本はいかがでしょう。
『こころ揺らす 自らのアイヌと出会い、生きていく』(北海道新聞社 編、北海道新聞社)
アイヌの血を受け継ぐ人たちの思いや現状を伝えようと、北海道新聞で2017年4月から18年4月まで1年間にわたり展開された連載企画「こころ揺らす」を単行本化したものです。
関西に住んでいると、アイヌに関してはたまに先日の杉田水脈衆院議員のような無理解で人権侵犯的なヘイトスピーチがなされた時に意識するくらいなのですが、では今を生きるアイヌの人たちは何をどう感じてどのように生きているのか。
本書は、自らの出自を明らかにしている方々の生の声を中心に、それぞれの複雑な思いや葛藤を伝えるだけでなく、取材記者がアイヌを取り巻く現状と課題にも挑む作品に仕上がっています。
北海道のアイヌ民族は明治期以降、道外から和人が大量に移住しはじめ、さらに当時の政府による同化政策のもとで、狩猟の場や暮らしの場、そして文化まで壊滅的な打撃を受けました。もちろんその基にあるものが厳しい差別感情です。そして、それは今も続いています。
アイヌ民族はもういない──とする「アイヌ民族否定論」がはびこりつつある一方で、登別からほど近い胆振管内白老町(いぶりかんないしらおいちょう)にはアイヌの歴史と文化をテーマとしたナショナルセンター『ウポポイ(民族共生象徴センター)』が2020年に開業しました。
関西にいると身近に感じるのが、在日韓国人に対する根深い差別感情です(これに関しても前述の自民党・杉田水脈衆議員の在日コリアンに対する人権侵犯がありましたね)。
アイヌのような先住民族や在日韓国人をはじめとするいわゆる外国人、そして障害者など、様々なマイノリティーの問題に直面した時、もし自分が多数派の方にいたなら、まずは一旦立ち止まって、少数派の声に耳を傾け、考えに思いをはせ、気持ちを想像してみる。それも丁寧に丁寧に何度も繰り返していくことの必要性を、改めて強く感じました。
アイヌ語には「ヤイコシラㇺスイェ」という言葉があると言います。日本語では「考える」という意味で、直訳すると「自分に対して自分の心を揺らす」になります。
まさに本書のタイトル通り「頭の中だけではなく、心を揺らして考えてみたい」ものです。
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