これほどまでよく知られる詩人を私は知りません。
国民的詩人ともいうべき、谷川俊太郎さんの詩集を紹介します。
『虚空へ』(谷川俊太郎、新潮社)
谷川俊太郎氏が、70年の詩作を経て至った新境地。
あとがきに「今の夥しい言葉の氾濫に対して、小さくてもいいから詩の杭を打ちたい」とあるように、少ない言葉で詩を書くという試みです。
短い行脚の三行一連で書いた『minimal』(2002年)に続いて、やはり短い行脚の十四行詩が88篇収められています。
短い言葉ゆえ、読む人の解釈や感じ方はさまざまでしょうが、開いたページの言葉や空間が自然と溶け合って自分と重なります。
詠み人である谷川さんが「私」と重なり、薄れていくような不思議な感覚……
まさに「虚空」に身を漂わせるような静かな感覚です。
こちらも素敵なPVです。ぜひ!
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