ここ数年、発達障害と診断され、来院される患者さんがとても増えました。
それと同時に、数多くの本が出版され、テレビやネットでも盛んに取り上げられるようになりました。
一方で、「発達障害って何?」と感じておられる方も多いのではないでしょうか?
友達の輪に入れなかった、何でもないミスばかりで悩んでいる、雑談が苦手、空気が読めない、癇癪持ちである……
そんな悩みの原因、生きにくさの原因が、実は発達障害にあるのかも知れません。
今日はこんな本を紹介します。
『発達障害グレーゾーン』(姫野 桂、扶桑社新書)
仕事柄、発達障害に関する本は数多く読んできました。その中でも、とても実践的で役に立つ内容です。
「発達障害」は、身近にあるけれども、社会の中で十分に知られていない障害でした。
また、「発達障害」のある人は、特性に応じた支援を受けることができれば十分に力を発揮できる可能性がありますが、従来はその支援体制が十分ではありませんでした。
このような背景を踏まえ、発達障害について社会全体で理解して支援を行っていくために、平成17年4月から「発達障害者支援法」が施行されています。
では、「発達障害」ってどんな障害なのでしょう?
発達障害者支援法において、「発達障害」は「自閉症(ASD)、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)その他これに類する脳機能障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」と定義されています。
それ以外にも、トゥレット症候群のようにまばたき・顔しかめ・首振りのような運動性チック症状や、咳払い・鼻すすり・叫び声のような音声チックを主症状とするタイプのものも、発達障害者の定義には含まれています。
ただ、これらのなかでも「これだけが当てはまる」という人はほとんどいません。ほとんどの人はいくつかを併存していることが多いです。
また、本書のタイトルにもあるように、発達障害には「グレーゾーン」といわれる層があります。文字通り、発達障害と健常者の中間層です。「ビミョー」な人たちですね……。
この本には、発達障害と向き合う人たちの様々な体験、試行錯誤、対策、生き方がたくさん紹介されています。私自身は、発達障害だからといって極端に考え込んだり、落ち込んだりする必要はないのではないかと考えています。確かに能力には偏りがあるあるかも知れませんが、中には一部のことに関してかなり非凡な能力を持っている方も多いように思います。
それより、うまく学校や社会に適応できず自信を喪失したり卑屈になったり、ストレスから登校拒否になったり、自律神経失調症、睡眠障害、うつ病、ギャンブルや買い物依存症などの二次障害を防ぐことが大切です。
当院の患者さんたちを診ていても、結局のところ、「自分のことを知ったうえで、それに自分がどう対処するか」が大切なように思います。直接発達障害でなくとも、なんとなく生きづらさを感じている方の参考になる好著です。
発達障害の特性による生きづらさをテーマに、当事者の方たちを取材したこちらの本もおすすめです。
『私たちは生きづらさを抱えている』(姫野 桂、イースト・プレス)
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