以前も取り上げたことがありますが、星野富弘さん…
この方の詩画集が好きで、ことあるごとに開いては勇気をいただいているのですが、今回も改めて紹介したいと思います。
『いのちより大切なもの』(星野富弘、いのちのことば社)
当院のように小さな施術所でも年に何人かは文字通り薬石効なくお亡くなりになる方がおられます。
その度ごとに色々なことを考えたり、反省したりするのですが……
人間は病気にならなくてもいずれは死にます。
誰一人として死から逃れることはできません。
そして、死があるから、今生きていることに大切な意味があるのでしょう。
死を考えることは生を考えることであり、限られた命をどう生きるかが大切なのではないでしょうか。
ご存じの方も多いかと思いますが、星野さんの代表的な詩を紹介します。
いのちより大切なもの
いのちが一番大切だと
思っていたころ
生きるのが
苦しかった
いのちより
大切なものが
あると知った日
生きているのが
嬉しかった
××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××
初めてこの詩に出会ったときのなんとも言えない思いを今でもずっと覚えています。
作者の星野富弘さんは群馬大学を卒業後中学の体育の先生をされていましたが、器械体操クラブの指導中、演技に失敗して頸椎を損傷し、肩から下が麻痺状態になりました。星野さんが二十四歳の時です。
九年間の入院生活の中で、口に筆をくわえて詩を書き、絵を描けるようになり、今ではたくさんの作品を世に出しておられます。
最初は筆に巻いたガーゼに血をにじませながら、やっとの思いで絵を描いたといいます。
ある日突然に絶望の淵に突き落とされ、そんな中で血をにじませながら口に筆をくわえて詩を書き、絵を描く……
自分にしか作れない作品を次々に生み出すことが生きがいになり、使命になっておられるのでしょう。
どんなに生きる努力をしても、いつか必ず死にます。例外はありません。
だからこそ、生ある日々、自分の生きがいや意味ある生き方に関心を持つべきなのかも知れません。
宜しければぜひご一読ください。
以前書いた星野富弘さんの記事はこちら
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