料理を作るのが好きなので、料理人の自伝もよく読みます。
功成り名を遂げた人の自伝は、ややもすると鼻につくことが多いのですが、この本は違います。
この本に出会って良かった。本当に良かった。
『三流シェフ』(三國清三、幻冬舎)
あの好々爺とした雰囲気の三國清三シェフの自伝です。
北海道・増毛という漁師町で貧しい漁師の子に生まれた三國シェフ。
少年時代から札幌での下積み時代、帝国ホテルの村上信夫総料理長との出会い、フレディ・ジラルデやアラン・シャペルというフランスの天才シェフたちの仕事ぶり、日本に帰って、『オテル・ドゥ・ミクニ』の開業、そして閉店。
三國シェフはこう書きます。
『苦労する覚悟さえあれば、どこかに居場所は見つかる。見つけた場所で、一生懸命にやれば道は開ける。ほんとに開けるとは限らないけど、自分にそれしかやれることがないなら、楽観的にやり続けるしかないと思っている』と……。
三國シェフの鍋洗い伝説の原点です。
私が大切にしている言葉に「心想事成」というのがあります。
物事に対する強い想いが、行動を変え、人を呼び、運命を切り拓く、といった意味なのですが、まさにこの本に表現されているような気がします。
この本に出会って良かった。本当に良かった……
※ちなみに三國シェフ、70歳を過ぎた2025年9月、『オテル・ドゥ・ミクニ』と同じ場所に『三國』を開店。カウンター8席。店のすべてをひとりで切り盛りされています。
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