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超私的新線計画その2
こんばんは、ビンディーの小林です。
私鉄王国の関西圏を見渡してみると、神戸市から10km県内に鉄道空白地域があることがわかる。それは明石海峡大橋で本州とつながる淡路島だね。淡路島は関西圏でもっとも近いリゾート開発を進めており観光特急の需要は見込めそうだ。
でもこの新線計画の主たる客は京阪神地区で働くサラリーマンの通勤客だね。ここ数年、関西圏で人口増加率がトップなのは実は滋賀県なんだ。滋賀県は京阪神地区のベッドタウン化に成功しているんだね。でも地図を見るとわかるけど、大阪中心部からの距離は圧倒的に淡路島が近いんだ。これは新線をひけばベッドタウン化が期待できるね。ましてや淡路島は神戸市や芦屋市をようする兵庫県だけにイメージも抜群だ。
ルートは明石海峡大橋経由で島内唯一の大きな市街地がある洲本市を目指すことになる。島内北部のなるべく神戸寄りにニュータウン駅を建設することがこの新線プロジェクトの勝敗を決めるかもしれないね。
ここまでは採算性を最優先した場合だけど、鉄道好きならやはり橋で地続きになっている四国までの延伸を期待してしまうよね。JR四国鳴門線への接続で最終的には徳島までの特急電車を走らせることはできそうだ。
実は和歌山と徳島を結ぶフェリー路線はあるけど、大阪と徳島を結ぶ航空路線やフェリー路線はないんだね。商都大阪と県都徳島の直通電車は経済波及効果が非常に期待できる。ましては中間の鳴門市は大塚製薬の企業城下街だ。人の流れは相当数期待できるね。
何かいいことづくめだけど、この新線計画にはオチがあるんだ。実は淡路島と四国を結ぶ大鳴門峡は道路・鉄道併用橋なんだけど、明石海峡大橋は道路専用橋なんだ。この事実には鉄道に興味がない人も唖然としてしまうのではないかな。
日本という国は、交通インフラに関しては将来を見越した汎用性に非常にこだわる国だからね。普通なら道路と鉄道軌道を上下に配置するのはセオリーだ。
この理由については1970年代の四国への本四架橋計画まで遡るだけど、オイルショックで計画が二転三転してしまい、政府の最終的な判断は三本の橋は作るけど、児島・坂出ルートのみ道路・鉄道併用橋とし、神戸・鳴門ルートと尾道・今治ルートは道路専用橋という玉虫色の決着になってしまったんだ。
地元選出の国会議員との攻防もあっと思うけど、神戸・鳴門ルートは結果としてはフル規格の道路・鉄道併用橋として作ることが正解だったのかもしれない。それはこの三本のルートなかで唯一大都市圏に隣接していたからだ。
さてこの新線計画を実現するには、明石-淡路島間に新たな橋を施設するか海底トンネルを掘る必要がある。開通後の収支を考えると、この段階でこの新線計画は白紙に戻ってしまうかもしれないね。
ここまでお読みいただきまして
ありがとうございました。
小林治巳