北陸新幹線で名称をめぐる温度差 | 春日井で美味しいナンとカレーの店 ビンディー

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北陸新幹線で名称をめぐる温度差

 

こんにちは、ビンディーの小林です。

来年3月の北陸新幹線開業を控えて、金沢市民の間ではちょっとした新幹線ブームが起きている。

 

622日、白山市に建設中の新幹線車両基地(白山総合車両所)で一般見学ツアーが開催された。500人の募集に対して15945人の応募があったという。31.9倍という高倍率だ。基地を訪れて新幹線の車内を見学した人たちの間では、感嘆の声が相次いだ。

 

「大きさと長さにびっくりした」。金沢市内在住の7歳の少年は、初めて見た北陸新幹線の新型車両の印象を、はにかみながらこう答えた。金沢と他都市をつなぐ特急列車「サンダーバード」や「はくたか」の全長(9両編成)は約190メートル。対して、北陸新幹線は12両編成で約300メートルもある。新幹線の端から端まで歩いてみた子供にとって、その乗り物の長さは人生初体験だったかもしれない。

 

「外も中もきれい」。こちらは9歳になる女の子の感想だ。在来線とも既存の新幹線とも違い、北陸新幹線のデザインは明らかに“美”を意識している。女の子の琴線に触れる何かがあったに違いない。

 

北陸新幹線の運行開始を待ちきれない金沢市民が、新幹線をひと目見ようとあちこちに繰り出している。車両が4月から5月にかけて金沢港に陸揚げされた際には、その模様を見るために多くの市民が駆けつけた。また、車両が白山基地へ陸送される際には、深夜で、しかも、事前の公式発表はなかったにもかかわらず、国道18号線に詰め掛けた人は3000人を超えたという。

 

新幹線ブームの理由は、単に新幹線が好きだからというだけではない。新幹線開業後は東京―金沢間が現行より1時間20分早い、2時間30分程度で結ばれる。石川県は2015年度の首都圏からの入り込み客について、現在の倍となる500万人を目標にしている。

 

とりわけ、県外からの観光客による消費増大の期待は大きく、首都圏への買い物客流出といったマイナス要因を差し引いても、年121億円の経済効果がある、と県はソロバンをはじく。効果を最大限に享受するべく、20132017年度の5年間でPR活動に計10億円を投じる。

 

全国の整備新幹線に詳しい青森大学の櫛引素夫准教授によると、「首都圏との時間短縮効果の大きさや観光地としてのブランド力から開業効果は高いと見込まれ、その分、金沢市民の期待感は富山や上越地域よりも高い」と語る。

 

金沢の新幹線ブームは、新幹線の呼び名にも影響を与えるかもしれない。

 

北陸新幹線の新型車両はJR東日本とJR西日本が共同で開発した。JR東が保有する車両はE7系、JR西が保有する車両はW7系という系列名が付けられている。Eは東(East)Wは西(West)を意味する。E7系とW7系の間に性能の違いはなく、外観も同じ。わずかにロゴがEWかの違いくらいだ。

 

JR東のE7系は一足早く、今年315日に運行を開始した。東京―長野間を11113往復しており、E7系という名前は、利用者の間ですっかり定着した。

 

一方で、来年3月開業の上越妙高―金沢間はJR西の管轄だ。このため、JR西は同地域において「W7系」を盛んにアピールしている。そのため、見学ツアーなどのイベントでも「W7系」の名称が使われ、新聞やテレビも「W7系」を連呼している。

 

東北新幹線E5系に「はやぶさ」という愛称がついているように、北陸新幹線にも東京―金沢間を最短時間で結ぶ「かがやき」、富山―金沢間をシャトル往復する「つるぎ」といった愛称がつけられる。ただ、今のところ、金沢市内では、北陸新幹線車両は愛称よりも「W7系」のほうが定着している。

 

開業後は金沢駅にE7系も乗り入れるわけだが、両者の見分けは困難だ。将来は、同じ北陸新幹線車両であっても、東京ではE7系、金沢ではW7系と呼ばれるようになるかもしれない。

 

ちなみに前出の櫛引准教授によれば、富山県では、石川県に比べると、JR西の管轄であるにもかかわらず、「E7系」の名を使ったり、「W7系・E7系」と併記する例が目立つという。金沢と比べると、富山のほうが文化面で東京圏の影響を受けているからという見方ができるかもしれない。

 

名称をめぐる微妙な温度差は、「背景には、藩政期にさかのぼる石川県と富山県の歴史的な関係に加え、最終ターミナルが金沢となったことで富山県民の間で新幹線の開業効果に対する期待感が石川県ほどには及んでいないといった要因もあるのでは」と、櫛引准教授は指摘する。北陸新幹線が富山県内を走るとき、果たしてどのような名称で呼ばれるか。興味は尽きない。(東洋経済オンライン)

 

富山、石川といえば一般的な理解では中部地方なんだけど、鉄道的な発想では関西圏なんだね。北陸本線での結びつきでJR西日本の管轄になった。なんと新潟県の糸魚川から分岐する大糸線の南小谷までがJR西日本というから凄いね。実はこの区間は民営化前まで金沢鉄道管理局の管轄だったこと。また大糸線の非電化区間だった事が関係しているみたい。

 

しかし今回の記事においてはちょっとびっくり。富山県民の意識は東京に向いていたんだね。現実に日本地図を開いてみると、東京と大阪は直線距離でほぼ同距離だからわからないでもないけど、世界最大の都市圏人口を有する東京都市圏への期待が大きいのも事実。中部圏の勇、名古屋への依存は今後減っていくかもしれないね。

 

E派とW派で揉めていきそうだけど、そんな事よりもっと重要な事があるんだ。以前より触れているけど、金沢ぐらいの観光都市は別格にしても、その他の新幹線停車駅は経済波及効果よりも人口流出を危惧したほうが良いかもしれない。

 

富山から東京まで新幹線でおよそ2時間。いつもの空路とのシュミレーションをするまでもなく圧倒的に近くなる。これはもう東京まで日帰りショッピングが可能になるから、人口流出以前に、経済波及効果も試算よりも怪しくなることは必至。

 

官民一体となった取組に期待したいね。

 

ここまでお読みいただきまして

ありがとうございました。

小林治巳