高速バスが挑む赤字鉄道の再生 | 春日井で美味しいナンとカレーの店 ビンディー

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高速バスが挑む赤字鉄道の再生

 

こんにちは、ビンディーの小林です。

高速バスと鉄道が組めば、どのような化学反応が生まれるのか――。

 

ピンク色の高速バス「ウィラーエクスプレス」で知られるウィラーアライアンスが、京都府などが出資する第三セクター・北近畿タンゴ鉄道(KTR)の運行会社候補に選ばれた。今後は国から鉄道事業者としての認可を得て、20153月までに新体制へと移行する。

 

ウィラーは、業界に先駆けてインターネットによる予約サービスや顧客層に併せたシートなど、先進的なサービスを導入し、高速バス市場を開拓してきた。そんな同社がなぜ鉄道事業に参入するのか。

 

その理由を、村瀬茂高社長はこう語る。「高速バス事業を始めて最初の10年は、大都市と地方都市をしっかり結ぶ“動脈”作りに取り組んできた。次の10年は、地方都市を公共交通で活性化させる“毛細血管”作りをしたいと考えていた。そこへKTRの運行会社を公募するという話が出てきた」。

 

京都府北部の丹後地域と兵庫県北東部の但馬地域を結ぶKTRは、1982年に設立された。1988年に宮福線(宮津―福知山間)を開業し、1990年にはJR宮津線(西舞鶴―豊岡間)を承継して現在に至る。

 

沿線には、日本三景の一つ「天橋立」をはじめとする観光名所が数多く存在する。とはいえ、全国のローカル線と同様に、モータリゼーションの進展、沿線の人口流出、少子高齢化といった要因による利用者減で慢性的な赤字が続く。20143月期は8.4億円の経常損失を計上。自治体からの補助金収入でどうにか最終黒字を維持している。

 

頼みの綱である観光需要も盤石とはいえない。丹後地区と京都市内を結ぶ京都縦貫自動車道の全線開通が2014年度中に予定されており、開通後は自動車でのアクセスが格段に向上する。鉄道への影響は計り知れない。

 

現状のままでの事業存続は困難と判断した京都府などの出資者は、同社に「上下分離方式」を導入することを決めた。鉄道事業を線路や施設といったインフラ()と鉄道運行()に分けて、インフラの維持・管理を自治体が行い、鉄道事業者を車両運行に専念させることで赤字を減らすという仕組みだ。これまでに、三陸鉄道(岩手県)や若桜鉄道(鳥取県)などの導入事例がある。

 

今回のケースでは、KTRはインフラ保有会社に衣替えし、車両運行とインフラの保守は、自治体から収入保障を得ながら外部の会社が行うという形が採られることになった。車両運行事業には4社が応募し、選考の末、ウィラーアライアンスが選ばれた。「鉄道事業者からの応募はなかった」(京都府交通政策課)という。

 

なぜバス事業者であるウィラーが選ばれたのか。そもそも鉄道事業者から応募がなかった時点で、異業種から選ばざるをえなかったわけだが、それだけに安全面の取り組みは最重要項目でもあった。

 

ウィラーの提案は、外部の専門家による安全評価外部委員会を設置するとともに、社員の継続雇用など現行の安全体制を継承するというもの。さらに、全車両の運転席にドライブレコーダーを取り付けて、日常的にデータ解析を行うという取り組みも評価された。高速バスで導入が進むドライブレコーダーだが、「鉄道ではあまり聞いたことがない」(京都府交通政策課)。まさに異業種ならではのアイデアだ。

 

村瀬社長は「高速バス事業で培ってきたわれわれの強みは、自由な発想ができること、市場を創造するマーケティング力があること、ITを駆使した情報発信力があること。この3つをご評価いただいたのではないか」と語る。高速バスという新しい市場を牽引してきた実行力でKTRも再生してほしいと期待されているというわけだ。

 

「高速バス市場の先駆者が鉄道事業に参入する」と書くと、いかにも派手なイメージがある。だが、ウィラーがやろうとしていることは、意外にも地道だ。

 

 5月に運行会社に内定してようやく、KTRの詳細資料が開示されたそうだ。そこでまず、データを丹念にチェックして、年齢など属性別に、なぜ鉄道を利用しないのかを分析していく。そしてその原因が、運賃なのか、ダイヤなのか、あるいは駅へのアクセスなのかを見極め、どうすれば鉄道を利用してもらえるかを考えていきたいという。

 

利便性の改善策としては、運行本数を増やし、1時間おきに同じ時刻に発車するパターンダイヤを導入する構想がある。また、鉄道を軸として、そこへ機動力のある路線バスをスムーズにつなげば駅へのアクセスを改善できると、村瀬社長は考えている。

 

その場合に想定しているのは、ウィラーではなく地元のバス業者だ。大都市と地方都市を結ぶ高速バス事業では、どの事業者も単独で参入せず、地元の業者と組むケースが多い。そのほうが、スケールメリットが大きいだけでなく、コスト節約にもつながるからだ。今回もウィラーが当地でバス事業を新たに展開するよりも、地元のバス業者と連携するほうが得策と判断したようだ。

 

ウィラーの鉄道参入と聞けば、多くの人は高速バスと鉄道車両の連携をイメージするかもしれない。

 

鉄道には脅威となる高速道路も、バス会社には大きな武器となる。関西国際空港に降り立った観光客をウィラーのバスで天橋立へダイレクトに運ぶ。その後は鉄道で沿線観光を楽しんでもらう。ウィラーならこんな戦略も取れるはずだ。

 

だが、村瀬社長は「観光資源がエリア外としっかりつながっていないため、観光の可能性は高い。確かにそのような提案はした」と認めながらも、「まずは、地元市民の利便性向上策を優先する」と慎重な姿勢を崩さない。

 

1台当たりのバスの定員はせいぜい40人にすぎず、これでは列車を満員にするのは無理だ。KTRは西舞鶴経由でJRとつながっているため、観光対策としては、むしろ京都を訪れた観光客を鉄路で呼び込む施策を打つほうが効果は大きいという。

 

こうして見ると、村瀬社長のやろうとしていることは、極めて“地道”だ。派手なイベント列車やグッズ販売で赤字ローカル会社を再生するといった小説があるが、現実はそれほど甘くはないのだ。「距離の短い路線なら、イベントによる集客の効果も大きいだろうが、KTRの路線距離は114キロメートルもある。とにかく地元の人に乗ってもらう仕組みを作らないと」(村瀬社長)

 

そう言いつつも、実はウィラーの提案の中には革新的なアイデアも含まれている。それは、ITを活用して駅の魅力を高めるというものだ。

 

ウィラーには、バス予約システムを自前で構築してきた実績がある。「ITはそのイメージとは裏腹に、人と人を結びつける力が強いし、自然にも優しい。ITで鉄道と乗客をつなげていきたい」と、村瀬社長は意気込む。

 

まず、ITを駆使して駅を住民同士のコミュニケーションの場として活用していく。さらに、何年か先には「最先端のIT列車」を作りたいという。それ以上の具体的な内容は明かされなかったが、村瀬社長の中にはある程度のイメージができているはずだ。

 

高速バス業界は鉄道業界を上回るスピードで進化している。このスピード感を鉄道に持ち込めば、数年後のKTRは現在とはまったく違う姿に変貌しているかもしれない。(東洋経済オンライン)

 

さて、北近畿タンゴ鉄道は山陰本線の福知山からT字の根本の宮津を結ぶ、宮福線と同じく山陰線の豊岡から舞鶴線の西舞鶴までをむすぶT字の横線の宮津線から成り立っているが、その複雑な構造が災いして、有名な観光地もありながら苦戦しているのが現状なんだね。「鉄道事業者からの応募はなかった」(京都府交通政策課)というのがそれを物語っている。

 

地方の鉄道はもはや移動の手段ではなくなっているから、鉄道そのもの自体を観光資源にするしかない。東京や大阪から天橋立に直接バスで乗りつけて、京都まで鉄道で帰っていただくほうが確かに利にかなっていると思うね。

 

そうそうバス事業の鉄道参入となれば名古屋の大曽根から小木幡緑地間を走るガイドウェイバスのゆとりーとラインを思いだすね。バスの低コスト性を生かし交通渋滞回避のために日本で初めて導入された新交通システムだね。

 

海外では全線、平地を走るけど、日本では都市部の渋滞を考慮して高架の専用軌道が準備された。鉄道の最大の長所は渋滞に巻き込まれいことだね。バスにそれを求めると中心部に専用路線を置くしかないからね。だから専用路線の建設費の償却を考えると、採算性に関してはこれからなんだ。

 

高速バスはこれから日本の輸送事業に影響与えていきそうだけど、何よりも安全を最優先して欲しいね。

 

ここまでお読みいただきまして

ありがとうございました。

小林治巳