小志貴神社(福島県伊達市月舘町) | ゴシュインデイズ

小志貴神社(福島県伊達市月舘町)

小志貴神社(こしきじんじゃ)。



福島県伊達市月舘町に鎮座。
御祭神は天児屋根命(アメノコヤネノミコト)、比売神(ヒメカミ)。
社格は村社に列格。


社伝によると、永久五年(1117年)の御創建。

鳥羽院の御代、山蔭中納言政朝卿が和歌の名所・阿古屋の松を尋ねたとき、空が俄にかき曇り、前後も分からぬほど真っ暗になった。
すると!突然古猿が出現!
なんと古猿が襲い掛かってくるではないか!

これはまずい、命を奪われる……と、次の瞬間!

突如として白鹿が現れ、日月のような両眼を輝かせ、冷々と鳴いたのだった!
これに恐れをなした古猿は一目散に逃げ出した。

すると、白鹿は神童に姿を変え、阿古屋の松の在処を卿に告げて消えたのだという。
卿は御神徳に感じ入り、祖神を勧請し社を建立したのだそうだ。


平安初期から安土・桃山期には下手渡の大内氏の崇敬社に、それ以後は伊達氏の崇敬社になった。

お社自体は、文永六年(1269年)にご遷宮、天正十五年(1587年)に再建。
さらに寛永六年(1629年)と貞亨元年(1683年)にご遷宮をしたという記録が残されているという。


小志貴神社という社名については、信達一統誌に「甑敷内という所より光明輝き、託宣があったためこの地に祀る。これにより甑敷宮と称する」と由来が記されているのだとか。
そのため、小志貴宮、甑敷大明神などと呼ばれたのだそうだ。



ご由緒を見ると、川俣町の宮前春日神社とほぼ同じ感じなんですよね。
創建年代自体は違うものの、川俣・月舘には共通して小手姫伝承が残っていたりしますし、地域的なものも背景にあるんでしょうかね。




【 一の鳥居 】
境内からやや離れたところにある一の鳥居。

先程記載したご由緒は県立図書館で図書を参考に書き起こしたものなんですが、こちらの一の鳥居の近くにある案内板には上記のとは別のご由緒が書かれておりました。

なんでも、この一の鳥居がある場所は、昔、大きな笠松と小さな石があったそうなんですね。
そこの小さな石に白髪の老人が腰掛けていたのだそうです。
そこを通りかかった地域の人に老人は尋ねました。

「あちらに見える杉の森はどなたのものですか?」と。

地域の人は「あの森は私の森です」と答えます。
すると老人はこう返答しました。

「それでは私に今晩貸してください」と。

老人はその場所から北上の山の麓にある湧き水で喉を潤し、森に向かって歩き始めたんだそうです。

すると翌朝。
なんとそこには、「ここに祀ってほしい」と願いがこめられた御幣束が一本立っているではないですか!
そう、あの老人は実は小志貴大明神だったのです。
これを聞いた村人たちは地域の氏神として祀り、老人が腰掛けていた場所に一の鳥居を建てた……という伝承も残ってるそうです。



そんなわけで、一の鳥居からしばらく進んだところ。
境内の入り口です。




【 二の鳥居 】
こちらは石造りの明神鳥居。
小志貴宮という扁額も石で造られておりました。


【 参道 】
鳥居をくぐった辺りから撮ったところ。
表拝殿が大きくて目立ちますね。





【 手水舎 】
参道左手にあった手水舎。
こちらは普段は無人の兼務社なんですが、綺麗に整備されていて立派なものでした。
兼務社でここまで整備されてる手水舎もなかなか無いんじゃないかなぁと。
地域の方が手入れされてるんでしょうかね。




【 表拝殿 】
そしてこちらが先程から見えていた、立派な表拝殿。
石垣の上に建っていまして、参道からは一段高い位置にあります。












【 拝殿 】
瓦葺き屋根の拝殿。
上り藤と九曜紋がありますが、御神紋でしょうかね。
非常に大きな扁額が掲げられていて、立派な拝殿です。

が……こちらでも扁額の隣に大きな蜂の巣が……
気になってあまり長居できませんでした。誰だって蜂は怖いものです(´・ω・`)


【 本殿 】
そしてこちらは御本殿。
覆屋の上に緑色のネットが被せられていましたが、蜂の巣を造られないための対策でしょうかね。
お参りしている途中で雨が降り出してきたため、なんだか画像がブレブレに……


【 境内社 】
社殿の周辺の境内社の数々。
境内社がたくさんありました。


さてさてさて。
そんなわけでお参りが済みまして、御朱印をお願いします。
こちらの神社は伊達市月舘町にあるわけですが、管理されているのは伊達郡川俣町の羽田春日神社さん。
そちらに伺って御朱印をお願いしました。



そんなわけで頂いた御朱印がこちら。
印影も「小志貴神社」という社名になっています。
墨書も丁寧で素敵な御朱印ですね。




◆神社への地図



◆神社の情報

小志貴神社   こしきじんじゃ

御祭神 : 天児屋根命、比売神
社格等 : 村社
鎮座地 : 伊達市月舘町上手渡字玉久保23