大鏑矢神社(福島県田村市船引町)
大鏑矢神社。
福島県田村市船引町に鎮座。
御祭神は高皇産霊神(たかみむすびのかみ)、大鏑矢神(おおかぶらやのかみ)、坂上田村麻呂命(さかのうえのたむらまろのみこと)。
社格は明治六年に旧郷社に列格。
ちなみにこの神社に行った時には御朱印まとめブログをやるなんて思ってなかったので、ろくに画像を撮ってません。御容赦を。
創建の年代については不詳だが、桓武天皇の治世・延暦二十年(801年)に征夷大将軍の坂上田村麻呂が勅命を受けて陸奥國に出征した際に、当地に鏑矢を奉納して戦勝を祈願したという言い伝えがある。
その後、坂上田村麻呂の武徳を慕い、その御霊を当社に合わせ祀ったという。
坂上田村麻呂を祀る神社は、東北には意外と多い。
今の感覚では、こちら側は征伐された地域なのだから敵対して当然だと思うのだけど。
これはあれか。
長いものには巻かれろ的な。
でも、茨城の大甕神社でもそうだったけど、常陸国を支配していた天津甕星を打ち倒した武葉槌命も御祭神として多くの領民の人気を集めているし、素直に勝者を称えるということなのだろうか。
それとも勝った者の威光を担いでそちらに付いてしまおうという、ある種のしたたかさなのかなあ。
さて、御祭神について。
高皇産霊神はこの世界が生まれた際、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)に次いで現れた神とされ、ともに現れた神皇産霊神(かみむすびのかみ)と併せて、『造化三神』と呼ばれる。
高皇産霊神は天孫ニニギノミコトの降臨の際に登場したり、ニニギノミコトの母神である栲幡千々姫を生んでいたりと、神話の中においてはどちらかというと天津神寄りの存在として描かれている。
それに対し、神皇産霊神は大国主神を助けた少彦名神(すくなびこなのかみ)を生んでいたり、自身も大国主神を助けていたりと、国津神寄りの存在として位置づけられているようだ。
高皇産霊神の名前にもある、「産霊(むすび)」というのはよく出てくる言葉で、生産や何かを生み出すことを意味する言葉。
そういえば、イザナミノミコトに大火傷を負わせた火の神である迦具土神(かぐつち)も、別名は「火産霊神(ほむすびのかみ)」。
生むんじゃなく、イザナミを死なせちゃったじゃんと思うわけですけど、イザナギが迦具土神を斬り殺すとそこからまた神が沢山生まれているので、それもまたムスビであると。
このあたりのネーミングに深さを感じる私なのです。
さて、そういうわけで、この「むすびの神」である高皇産霊神が祀られているということで、この大鏑矢神社は縁結び・安産・良縁に関する御神徳が特に大きいそうだ。
こんなアテクシにもそろそろ良縁があっても良いはずなんだけどなあ。うーん。
なんだか蛇に睨まれた蛙ならぬ、犬に睨まれたカエル状態。
ちょっと面白いなーと思って撮影したら、門を撮りたいのか狛犬を撮りたいのかカエルを撮りたいのか、全部中途半端で終わっちゃった残念な感じに。
何事も吹っ切れた感じで行かなきゃダメってことだよね。
【 随身門 】
遠目からもすぐに神社だと分かる、きれいな朱色。
参拝したこの日はジリジリと太陽が照りつける8月の暑い日。
しかし、この神社の周囲は開けた公園になっていて、時折心地よい風が吹いては注連縄の紙垂を揺らしていた。
こういった様子を眺めているのも、なかなか風情がある。
随身門のあたりまでは開けた公園の雰囲気がまだ残っているのだが、門をくぐると様子は一変。
一気に鎮守の森らしい大きな木々が姿を見せる。
拝殿も鮮やかな配色で思わず目を引いてしまうようなつくりだ。
縁結びの御神徳が大きいということで、拝殿前には縁結びのお守りなどがずらり。
無事参拝を済ませたので、社務所へ。
御朱印をいただく。
社務所に声をかけると、お出でになったのは普段着のおじいさん。
で、いただいた御朱印がこちら。
うん、印影が大きくて迫力がある。素晴らしいね。
で。
初穂料をお納めするんだけど、私はいつも「おいくらお納めすればよろしいですか?」と聞いている。
そうすると、たいてい「300円を頂いております」か、「お気持ちをお納めください」のどちらかの返事を頂くんだけど。
こちらのおじいさん、
「あー。うーん、いくらなのかなあ。いつも400円くらいもらってたんじゃないかなー?」
……え?
ちょ、ちょっと待ってください。
すごい意外なご返答なんですが。
400円くらいじゃないかな、って。
そう言われたら400円お納めいたしますけど。
なんか引っかかるじゃないですか。
400円をお納めし、社務所から出たその時。
境内に入ってくる1台の車。
そして車から下車して社務所へ向かう一人の男性。
もしかして、この方が普段御朱印を書いてる神職の方だったのでは……
ま、まあ、でも普段書いて無い方に書いていただいたということは、これはちょっとしたレア物なんだと思えば……
■大鏑矢神社への地図
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