中辺路 (滝尻~熊野三山) | 熊野古道を歩きたい

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ある時、小辺路を歩いたら全部歩きたくなりました

中辺路(6月)

熊野御幸にも使われた公式参詣道で、険しい山道の中に「王子」が祭られています。

たくさんの人々が千年以上にわたり使い続けた道です。

今回は滝尻から本宮大社、那智大社、速玉大社のルートで歩かせていただきました。

 

今回はテントを担いでの4日間の行程。(5日目が雨予報になり4日に短縮)

中辺路の起点滝尻に向かうため田辺からバスに乗り11時前に到着。


滝尻王子からは神域。五体王子にも数えられた、お参りをさせていただきいよいよ始まりです。

胎内くぐり~不寝王子、急登もありますが美しい山歩きが続きます。

高原霧の里に到着すると眺望がひらけ素晴らしい里山風景が目の前に広がります。

昔、寒い季節に歩いてきた北国の人たちなんかは熊野の豊かな山々を見たとき、きっと楽園だと思ったことでしょうね。

大門王子をぬけ大坂本王子、そして「道の駅熊野古道中辺路」で大休止。

多分中辺路を歩くハイカーのほとんどが立ち寄る休憩場所です。

この日も多くの人たちが歩いてきましたが、そのほとんどが外国の人たちでした。

どうしてもっと日本人は歩かないんだろう・・・

さる人に聞いたんですが、「日本人のアウトドアは車から100m」らしいです・・・

近露集落を歩きます。

どれほど多くの人たちがこの集落に立ち寄り食事をし泊り、おしゃべりをしたのでしょうか。

本当のインターナショナルです。もっとゆっくり歩かないといけませんね。

比曽原王子~継桜王子 そして、野中の清水に立ち寄ります。

水場情報は「枯れていたり蛇口をひねっても水が出ないということもある」なので、 念のため今晩の「水」をここで確保させていただきました。

 

1日目はここまで、東屋横の砂利地にテントを張らせていただきました。

この場所は「ヒル注意」の情報も聞いていたのですが・・・

結果、かなりいました!!朝まで幕内避難でした。

2日目

台風の影響で設定された、う回路を通り湯川王子へ。そして発心門王子。

「発心門」とは、仏の道に帰依する心を発する入り口(門)という意味で、ここからが熊野本宮大社の神域だそうです。この近くにはバス停もあり、ここから本宮大社までのハイカーもたくさんおられるようです。

その後伏拝王子を通り、九鬼ヶ口関所跡で「小辺路」と合流します。

そしていよいよ、熊野本宮大社に到着。

参拝後、大社前の食堂で「おそばとめはりずし」腹ごしらえ。

大鳥居をくぐって大斎原へ。

明治の十津川大水害の後、同地に再建の話もあったそうですが、許されることはなく現在の場所に移転となったそうです。

後、本日の宿泊地である「川湯キャンプ場」へ

当時このキャンプ場のご主人は「どんなに混んでいてもハイカーは泊める」と、「その分はとってある」と言い切る凄い人。いろんなお話も聞かせていただき楽しいひと時を過ごせました。

快適な夜(川の音がきもちいい)を過ごし熟睡。。。

 

 

明けて3日目。

請川から山道へ、ここからは小雲取越と呼ばれるエリアです。

2時間半ほど歩くと「百間ぐら」。果無山脈の稜線が眺められます。(少しガス・・)

 

小雲取山を過ぎて下って行き、赤木川の橋を渡ると立派な東屋にトイレ。

そして自動販売機。そのうえ、フリーWifi!!!

もちろん休憩させていただきました。

小口の集落をぬけ大雲取越へ。ザ・熊野古道的?な石段を登っていきます。

熊野は多雨地方なので山中の道を維持するためにはどうしても敷石が重要だったと聞きます。

しかしこれだけの道を何百年も維持するにはどれほどの苦労があったのでしょうか。

古道の魅力は底知れません。

越前峠を越えしばらく下って林道に出ると、地蔵茶屋跡に到着。

もう少し進みたい気持ちもありますが、今日はここまで。

4日目

今日も気持ちのいい石畳の道を行きます。

一番石碑を過ぎると那智に到着。

 

鳥居をくぐって那智大社にお参りをしたかったのでまづは大滝へ向かいます。

そして、熊野那智大社へ参拝。

朝の8時台ということもあり静かにお参りさせていただくことが出来ました。

ただゆっくりもしていられません・・・今日の目標は「新宮」です。

本当はダメですよね、急いではいけませんよね。わかってはいるのですが・・

 

 

大門坂を下ります。写真でよく見かける石段と杉木立はやはり圧巻です。

途中の多富気王子を拝み、ついに補陀洛山寺に到着。

実は今回の旅で一番行きたかったところ。念願がかないました。

南海の果てにあると信じられていた観音浄土を目指して渡海上人が、釘付けされた船の中に座り補陀落渡海に出発したと言われています

 

 

浜の宮王子を参拝して、ここからは海沿いの道で新宮を目指します。

暑い季節の国道を行くのは修行です。

 

しばらく行くと前方にトンネル。涼しそうなうえに出口まではすぐそこに見えています。

しかし、昔はトンネルなどありません・・なので、当然のように峠越え。

ロードに疲れた足には、嬉しいやら辛いやら・・・

でも大狗子峠・小狗子峠、なかなかの見どころでした。

 

熊野灘の眺望がときおり良い高野坂を通り、海岸線をひたすら歩くと浜王子に到着します。

 

そして最後の一つ手前、阿須賀神社。熊野川の河口付近、蓬莱山の麓に鎮座する歴史上重要な社。

そして、そして・・ついに到着。熊野速玉大社。

歴史を感じ、人間の力を感じ、自然を感じた4日間。

とにもかくにも、自分の足で熊野三山を歩けたことに感謝。楽しい日々でした。

 

 

■滝尻~熊野本宮大社~熊野那智大社~熊野速玉大社 96.5km

:1日目 滝尻バス停~熊瀬川王子付近 20.6km

:2日目 熊瀬川王子付近~川湯キャンプ場 22.3km

:3日目 川湯キャンプ場~地蔵茶屋跡付近 20.7km

:4日目 地蔵茶屋付近~熊野速玉大社 32.5km

 

 

(*カシミール3Dにて作成)