出産後に熱が続いていて、産科の先生から感染症内科へご相談が来ることがあります。

「赤ちゃんに会いたいのに会えないし、早く熱が下がって欲しい!」
そんなもどかしい想いが伝わってきます。

今回のテーマは、出産後の発熱です。

考えられる主な原因を以下にざっと記載します。

・子宮:子宮内膜炎、子宮傍結合組織炎
・骨盤:骨盤内膿瘍、敗血症性骨盤内血栓性静脈炎(卵巣静脈など)
・肺:肺炎、誤嚥性肺炎
・尿路:腎盂腎炎、腎膿瘍
・乳房:乳腺炎、乳房膿瘍
・創部:帝王切開・会陰切開術・膣や子宮頸部の裂創の創部感染
・点滴部位:カテーテル関連血流感染症、静脈炎
・その他:深部静脈血栓症、Clostridioides difficile腸炎*、虫垂炎、ウイルス感染症など
*抗菌薬曝露後の細菌性下痢症


大きく分けて、感染症血栓症と考えていただければと思います。

分娩中に子宮頸部に常在している細菌が子宮内へ入り、感染を起こすことがありますし、帝王切開後や会陰切開後は、縫合した部位に感染が起こることがあります。
人工物が入っていれば(点滴や膀胱留置カテーテルなど)、そこは感染の原因となり得ます。

また、妊娠中/産後は血液が固まりやすい方向へ傾いており、血栓を作りやすいと言われています。

血栓があっても熱がでます。

症状と診察した所見を併せて、どれが原因なのか考えていきます。

血栓や膿瘍は診察だけでは分からないため、エコー検査・造影CT検査などの画像検査を行って診断します。



日々、症状をお聞きし、頭〜足まで診察し、原因を考えて熱の経過をみています。