【オンラインで行われた
小諸市中国藤村文学賞の南京大学会場】
【小諸市中国藤村文学賞の
小諸市役所会場】
小諸市と小諸市日中友好協会、中国の南京大学はこのほど、同大学生を対象とした「第10回 小諸市中国藤村文学賞」の授賞式をオンラインで行った。
この文学賞は1987年から、3年ごとに開催しており、今回が10回目。
目的は、中国における藤村文学の研究・振興に協力寄与すると共に、日中両国民の相互理解と友好親善を深めること。
過去に中国で7回、小諸で2回の授賞式が行われ関係者の行き来があった。
今回は「コロナ禍」の開催のため、オンラインで南京大学と小諸市役所をつないで授賞式を行った。
小諸会場には、小泉俊博市長、小諸市日中友好協会の笹本常夫会長らが出席。
文学賞では、島崎藤村の小説や詩などの訳文と感想文を募集し、それぞれ翻訳賞と愛読賞として入賞作品を選出。
応募者は、同大日本語学科の2年から4年の学部生と大学院の1年と2年の院生で、応募数は例年並みの35作品。
題材は長編小説「破戒」、短編小説「嵐」、詩「初恋」、写生文「千曲川のスケッチ」など多岐に渡った。
2段階で厳密な審査を行い、翻訳賞は1位から3位の計6人、愛読賞は5人を選出した。
式内の受賞者代表謝辞は、翻訳賞1位となった院生2年生の王瀅鈞(おう えいきん)さんが行った。
応募作品は短編小説「嵐」の訳文。
常人としての藤村の気持ちやその時代の普通の人々の暮らしを知り、味わいたいと、この小説を題材に選んだ。
小説の中で最も惹きつけられた部分は、父親と母親の両方の役目を担うような父親像が、いきいきと表れていること。
「父親も母親と同様に家事や育児をすべき」という現代の議論を踏まえ「嵐が発表された大正15年には、藤村先生はすでにそう考えていたらしい」としている。
王さん自身の家族や理想の父親像とも照らし合わせたという。
王さんは謝辞の後半で「笹本会長のような中日友好のために、日々取り組んでいる人々がいるからこそ、両国民の相互理解と友好関係を促進することができる。この受賞経験を最高の宝にして、引き続き中日交流活動に積極的に参加し、両国国民の相互理解と友好関係を深めようと努力する」と話した。



