年々増加する医療費が日本の財源を圧迫し、財務省は医療費の削減のため生活保護患者にはジェネリック医薬品を使うことを義務付ける方針を打ち出しました。それによって年間500億円程度の削減が見込まれるそうです。その事の是非は別として、私は医師として以前からただ病気を治すだけでなく、患者さんの経済的なことも考えながら必要最低限の検査と治療によって効率的に診療するよう心がけてきました。たとえば尿路結石で痛みを訴えて来院した患者さんに対して、大学病院や大病院ではしばしばCT、超音波検査、そしてあらゆる項目の血液検査をすることがありますが、熟練した医師であれば尿検査と診察所見から尿路結石と診断してしまいます。また、寝たきり老人に対して、しばしば胃ろうを作り、流動食を与え続けて、ただ延命をはかることがあります。
そういったことをやめるだけでも莫大な医療費削減につながると思います。
この問題は医師だけでなく、国民一人一人が考えるべきだと思います。
そして、ただ削減するだけでなく、本当に必要な医療にはお金をかけるべきだと思います。