自分自身はパートだから、異動も変化もないのに、周囲の空気がふわふわザワザワと揺れていて。それだけで、もう落ち着かない。



 みんなそれぞれに思いがあって、日々の流れによってその思いも揺れる。余裕が無ければ、すれ違いや衝突の原因にもなる。沢山の業務を抱えて、1日留まることなく働いていた頃。忙しくて、時間が経つのが本当に早かった。



 今は若い職員さんをみて、自分の昔を思い出す。私よりも皆、とてもしっかりしていて逞しい。無我夢中で憶え、走り続けた若い頃。懐かしく、しかし今でも胸の下、上腹部辺りが…、上に引っ張られるような妙な感覚がある。



 あの頃のわたし、寮で同級生たちと一緒に笑って泣いて。それは遅れて来た、私のまさに青春だった。懐かしく思い出すには、あまりに過酷な日々だけど、やはりあの時があったからこそ、今の自分がある。今の仕事を大切に出来る自分がいる。



 小さな、けれど自分にとってはかけがえのない大事な仕事。丁寧に、誇りを持って取り組む現在の自分が好きだ。あの時を懸命に乗り越えた、未熟で頼りない20代の私。54歳も、なかなか悪くないよ。