採用の現場から見えてくるもの 〜採用を"採用業務"だけに終わらせない〜 | ideateのブログ-採用のタネ-

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採用がビジネスの成否を決める時代。
採用を成功に導くためのヒントを綴ります。

"人事は採用に始まり、採用に終わる" *ジャスコ(現イオン)の創業者小嶋 千鶴子さん

コンサルタントとして人事領域に15年以上携わってきました。
また、採用担当者、採用コンサルティング・アウトソーシングビジネスの立ち上げとして、採用領域に4年ほど従事してきました。

転職が当たり前の時代になってきて、また転職マーケットが過去最高に盛り上がっています。
同業他社だけでなく、異業種も採用の競合として立ちはだかります。

多くのお客様の採用の現場にご一緒させて頂いてきた中で、冒頭の小嶋千鶴子さんの言葉は、今の時代でも、いや今の時代だからこそ、改めて重く受け止めなければならないと感じています。


採用の現場には様々な情報が集まってくる
採用には社内外問わず多くのステークホルダーが存在します。
社内といっても、経営者・管理職・スタッフクラス、職種に分けても営業や技術から、人事・総務・財務・広報等、多様な価値観、カルチャーが存在します。
社外では、人材紹介会社、ヘッドハンター、採用媒体、雑誌、Web媒体、そして当然ながら競合他社の人財等。
恐らく、ここまで多岐に渡り、多様な人財と接する機会があるのは、採用以外にはあまりないのではないでしょうか?

ということは、必然的に主観/客観、その両面から数多くの情報が集まってくることになります。


採用という観点から企業を分析する

また、集まってくる情報についても、採用の側面だけでなく、人事、組織、製品、経営といった様々な情報が集まります。

人事で言えば、育成、評価、昇進・昇格、報酬、タレントマネジメント、リテンション等々、人事全般に渡ります。
応募者や人材紹介会社は、当然他社の情報も持っているわけですから、彼ら彼女らから他社の情報をヒアリングすれば、自社の課題、または優位性は見えてきます。

その他の情報についても、同様です。
応募者は、他社と比較してなぜ自社を選ぶのか、そこには人事的側面よりも、ビジネス上の優位性を重視します。
企業の今後の展望と、自身のキャリアパスを照らし合わせて考えるので、当然です。

ネットで多大な情報が流通し、悪いことをすればすぐに拡散される時代、企業側もウソやごまかしが効かないため、応募者にかなりの情報を開示するようになってきています。
裏の情報というものは、応募者の心を惹きつける重要な要素でもあるため、考えている以上に、貴重な情報を持っていることが十分にありえます。

コンサルタントとして多くのコンサルティングの現場に従事してきましたが、どんなケースでも、まずは情報収集を一番最初に時間をかけて実施します。
Webでのリサーチが基本となりますから、そう考えるとクイックに網羅的に概要をつかむには、採用の観点で情報を入手するのは効果/効率の観点から非常に有効だと考えます。


ではなぜ実施されていないのか?
しかし、この採用の観点から分析する、ということはほとんどの企業で実施されていないのではないでしょうか?
少なくとも、私が接してきた企業でこれを実践しているのをあまり見かけたことはありません。

なぜか?
残念ながら、採用だけでなく、人事という機能がコストセンターとして見られてしまい、十分な費用が投下されていないという実態があると言えます。
特にリーマン・ショック以降、人事部門の縮小という場面を数多く目の当たりにしてきました。
日本企業によくある、縦割り組織も、横断的なコミュニケーションを阻害する一つの要因です。
また、コストセンターという視点で他の部門から見られてしまい、十分な権限を持って役割を遂行することができない、というのも要因なのではないでしょうか?


人事・採用ファンクションにもっと権限を
人財が企業の発展の成否に直結する時代になってきました。
人財が集まらず倒産するというニュースもよく見かけるようになりました。

勘定合って銭足らず、ではなく、勘定合ってヒト足らず、という時代です。

人財を惹きつける企業にならなければ、今後ますますビジネスは難しくなってくるのは確実です。

採用担当者の責任が、ますます重要になってきます。
彼ら/彼女らのモチベーションが、その成否を間違いなく握ります。

小さい組織で、朝早くから夜遅くまで、また休祝日も働くことを余儀なくされており、疲れきっている採用担当の方をよくお見かけします。

けれども、そんな苦悩の中で高い志を持ち続け、陰で会社に貢献しているのは紛れもない事実。


そのためにも、人事・採用という機能、役割を見直し、十分な権限と予算を配分する、ということは今すぐ取り組むべきテーマの一つなのではないでしょうか?