見知らぬ土地に慣れること、
それを言い訳に逃げていました。
入院中の義父に代わり
居酒屋の経営に入り込んだのは、
引っ越してから数週間も経過してからです。
その間も夫はお店に出ていました。
お手伝いをしてくれていた3人の女性と
常連客への顔見せ程度のものでしたが、
とても憂鬱そうでした。
3人の女性は、30代、50代、60代と
年齢もバラバラです。
お店のお客さまであったと聞いています。
この地域では女性がたくましく
強く出しゃばる場面が多く感じました。
ですから、わたしには奥で静かに、
というのが夫の理想でした。
予想通り、そのうちの2人は
わたしが困る注文をよくしました。
深夜に電話が鳴り
他店に呼び出されるのですが、
酔って振り回すのが楽しそうでした。
ある時は閉店後も帰らず
泥酔のあげく店中のものを投げ、
夫もお手上げとなりました。
地元であればすぐに振り切る相手ですが、
義父の大切なお客さまを
ひとりでも減らしてはいけないと
間違った親孝行を貫いてしまいます。
ゆいいつ、60代の女性だけは
わたしを大切にしてくれました。
亡くなった義母とわたしを重ね、
見知らぬ土地で辛い想いをせぬようにと
守ってくれていたのだと思います。
ですが幸い、
問題のある2人に困り果てはしていたものの、
お店の売上げそのものは伸びている状態でした。
大学近くの立地をいかして
新規メニューの追加やパーティ企画、
週末のみランチ営業をするなど、
夫との試行錯誤そのものは楽しかったのです。
けれど、そんな日々はあっけなく
非常にあっけなく
終わってしまいます。
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本日もご覧くださり
ありがとうございます。
次回は、営業を引き継いで間もなく
一気に閉店へと傾いた現実を振り返ります。
何でもそうですが、過ぎてみれば、
それらのおかげで今があるんだなと
前向きに捉える事ができるのですが。
ケンカも過ぎてみれば…
お詫びという名のハムスターが増えたり
1日中外食三昧させてもらったりと、
好都合な結果があるよねと思うのですが。
