政府の新型インフルエンザ対策本部幹事会で、いくつかの対策が提示された。
その第1項に「国民への迅速かつ的確な情報提供を行う」とある。
しかし、啓蒙活動をしつこく促進すれば、国民は正しい行動をとるとでも思っているのだろうか。
アプローチが、逆である。
「国民からの、迅速かつ的確な情報収集活動を行う」が、まず優先されるべきだろう。
「今朝の満員電車に、症状の出ている感じの人が乗っていた」
「保育園に預けられた赤ちゃんが、ぐったりしている」
…こういう個別の情報を拾い集めて、対処していく仕組みをつくらなければならないはず。
なんのために100年かけて通信網を整備したのだ、この国は?
新聞・主要五大紙の題字下に毎日、厚生労働省の相談先番号03-3501-9031をデカデカと掲げさせる。各紙とも偉そうなこと言っているわりには、「購読・配達のお申し込みフリーダイヤル」を一面に掲げている場合じゃないだろ? テレビだって、いかようにでもできるはずだ。
空港はもちろんのこと、JRはじめ、主要交通機関の駅や停留場、タクシー内に厚労省・自治体・保健所の電話番号をポスター掲示する。学校はじめ、公共機関も同様。
特に急ぐべきは、病医院の入り口ポスターである。病院に入る前に、こんな症状だったらまず電話…という認識を徹底させなければなるまい。
相談先の電話番号も、通常の覚えにくい市外局番ではなく、夜9時以降は当該地域の保健所につながるようなフリーダイヤルとか、考えてほしいぞ、NTTコミュニケーションズ。
たとえば、
0120-148197(医者行くな)
0120-889494(早く抑止)
0120-984114(詳しいインフォメーション)
…とかね。
電話料金はだれが持つべきか、といったケチな議論もあるだろうけど、税金なんてものは、こういうときにこそ使うべきだろうし、CSR(企業の社会貢献)だって、こういうときに発揮すべきだろう。
小松左京のSF「復活の日」で、人類を滅亡させたのは、ウィルスの強靭さ以上に、社会システムの脆弱さであった。
ここ数十年の間に、いろいろな意味でこの国の社会システムを弱体化させた「政治」というものに、期待しようとするほうがおかしいのかも知れないし、今回のウィルスは、それほど大騒ぎする対象ではないという考え方もあろう。
しかし政府に認識してもらいたいのは、重大な情報が遍在する時代であることを前提に、広報戦略を組み立てなおす必要がある、ということだ。それが、ネット社会の常識ってもんだ。