こんな棋書がほしい⑦「男の相掛り」 | 不況になると口紅が売れる

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 最近の男は、「守り」を重視する奴が多い。

 アイデンティティを誇るのではなく、守るのだそうだ。

 いつでもどこでも「傷つかないように」が基本だという。

 うーーーむ、だな。


 ただ将棋でも、似たような傾向があるかもしれない。

 まずは、玉を固めて守る。

 とりあえず、守ってから考える。

 穴熊は、その代表的な戦法だ。

 そんな将棋が、いまや当然だと思われている。


 しかし、相掛り戦法というのは、守りを固めようがない。

 居玉のまま大乱戦になることも珍しくなく、間違ったら奈落の底を覚悟しながらの戦いとなる。

 初手▲2六歩と突いたからには、どんな地獄も味わわなければならない。

 そして男なら、こういう相掛りの過酷な戦いを、常に意識しなければいかん、というわけになる。

 つまり将棋の本質とは、戦いであるのであって、それを端的に感じられるのが相掛りなのだ。

 最初から緊張感の連続。

 でもそうした殴り合いがワクワクして面白い、という私のような奴もいるわけで…。


 たぶん、こんな本を書けるのは、中川大輔七段だけだろう。

 中終盤に繰り出す「武士の手」も含めて、男の指し方というものをご指南して頂きたい。