アマチュア将棋の大会というのは、よほどの上位者を除けば、初対面の相手と指す場合がほとんどである。
相手がどんな戦法で来るかもわからないし、序盤が強いのか終盤が強いのか、切れ味があるのか粘り強いのか、そういったことがまるでわからない未知の相手との対局なのである。
その緊張感が心地よいという人もいるのだけど、基本的には相手に対する疑心暗義が強い状況での対局ということになる。
で、ちょっとした相手の態度にナーバスになる人もいて、朝から殺伐とした雰囲気が漂ったたりする(そういう人は、たいてい弱いのだけど)。
一方プロの場合、だいたい相手の棋風や戦法は、事前にわかった上での対局である。
この違いというのは実は大きくて、ある意味、別のゲームだとみてもよい。
アマの場合、勝ち負け以上に大事なものがあるとすれば、対局を契機に相手を尊敬したり、相手と仲良くなったりするという側面であろう。
しかしどうも将棋というのは、こうした初対面の人とも仲良くなれる「仕組み」が不足しているように思う。
マーケティングの世界に「顧客間インタラクション」という概念がある。
企業と顧客との関係以上に、顧客同士の関係や結束が強いブランドこそ非常に強い、というセオリーである。
つまり「将棋」だって、将棋連盟とファンとの間の関係以上に、ファン同士の関係が強ければ安泰ということなのだ。しかし、一般のアマチュア将棋大会は、ファン同士の関係を良好にするどころか、逆に殺伐としたものにしている可能性がある。
これは、将棋というゲームの性格にもよる。終盤の密度が高く、逆転が多く、その終盤というのはアマ大会の場合、たいてい秒読みの状況にある。
よって、場の雰囲気をなごませる存在が必要かも知れない、と思ったりする。
対局時計にそうした機能を入れ込めたらどうか、とも思う。
秒読みのとき、3の倍数はアホになるとか、そんなもんでもいいし。