子育て経験の有無は、人格に大きな影響を与える、と言われてきた。
子育てというのは、親として子供時代をもう一度体験することを通じ、いわゆるインナーチャイルドを育て直すことができる。つまり、子供を育てるようでいて、自分自身を育てることになる。
しかし、最近はどうか。
パチンコ屋やゲーセンに入りびたるのはもはや常識、電車の中でもニンテンドーDSやケータイゲームにはまっている主婦が目立つ。授業参観では母親同士が喋りまくり、先生に注意されて教室から追放されている。母親が幼稚園に通う息子のためにオリジナル弁当を1時間かけてつくるものの、これがあまりに懲りすぎていて息子は弁当箱を空けるのが恥ずかしいという。昨今のトレンドは母子消費、父子消費というが、これらの実態は子供をだしにした親の遊びだったりする。
「親の幼児化」というテーマで、一度シンポジウムでもしてみたいところだ。
親が子育てのプロセスで「子供時代の脳」の状態でひっかかったまま、成長を止めてしまったケースが多いのではないか? 子離れとは結局、親としての大人への再成長であるが、それがうまく達成されないケースが目立つような気がしている。
消費社会も、「大人でありながら子供状態」を容認しすぎであろう。ダイハツ「ミラ」のCMは「母親の子離れ」をテーマにしたが、こういうチクリと刺す消費者批判みたいなメッセージを込めた広告は、もっともっと欲しいところである。