配置薬販売、いわゆる「富山の薬売り」は、修験者による立山信仰の流布という「商業以前」の形態を、時代の変遷にあわせて上手く維持・発展させながら、近世~近代を生き抜いてきた。
まず医薬品を世帯に配置し、必要なだけ使ってもらって代金は次に来た時に回収するというシステムにより、300年にわたって日本人の健康を支えてきた。「懸け場帳」と呼ばれる顧客データベースをもとに、世帯単位で顧客管理を行なった。リレーションシップマーケティングの先駆けである。
日本のマーケティングがそこから学ぶべきポイントはいくつもあるが、特に以下の3点は現代にも通じると思う。
●「先用後利」=使ってもらうのが先、利益は後。
●「先客後品」=お客が先、商品は後。
●「先悦後商」=エンターテイメントが先、商売は後。